バイオジェンとエーザイが多発性硬化症治療剤の共同販促を開始

エーザイ株式会社
バイオジェン・ジャパン株式会社

エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫、以下 エーザイ)とバイオジェン・ジャパン株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:鳥居慎一、以下 バイオジェン・ジャパン)は、バイオジェン・ジャパンの多発性硬化症治療剤「テクフィデラ®」(一般名:フマル酸ジメチル)、「タイサブリ®」(一般名:ナタリズマブ(遺伝子組換え))、「アボネックス®」(一般名:インターフェロンベーター1a(遺伝子組換え))について、日本において、本日より共同販促を開始しますのでお知らせします。

両社は契約の定めに基づき、それぞれの担当施設に対して共同販促を行い、適正使用情報を提供します。製造および流通体制に変更はなく、売上はバイオジェン・ジャパンに計上されます。

多発性硬化症は、中枢神経系に対する自己免疫疾患であり、炎症を伴う深刻な慢性進行性疾患です。認知機能、心理社会的機能および身体機能の全てに影響を及ぼし、脳・脊髄や視神経など中枢神経系に広く病変が認められるとともに、病変が生じた部位によって視力障害、運動・感覚障害、歩行障害など多様な症状があらわれます。このため、確定診断まで数年かかる場合もあり、アンメット・メディカル・ニーズの極めて高い疾患です。多発性硬化症の日本での罹患率は、10万人当たり10.8~14.4人と報告されています1

エーザイの代表執行役日本事業担当兼CIOである林秀樹は、「エーザイは、神経領域を戦略的重点領域として位置づけ、「アリセプト®」や「フィコンパ®」などの神経領域製品における豊富な経験・知識を有しています。これらの強みを活かして、多発性硬化症の患者様とそのご家族のベネフィットの最大化をめざしてまいります。」と述べています。

バイオジェン・ジャパンの代表取締役社長の鳥居慎一は、「バイオジェンは多発性硬化症のリーディングカンパニーであり、全世界の約4割の多発性硬化症患者さんがバイオジェンの医薬品を使用しています。神経内科領域において強固なネットワークを有するエーザイと共同販促を行うことで、多発性硬化症治療薬を必要とする患者さんに確実にお届けすることができると考えています。」と述べています。

以上

本件に関する報道関係お問い合わせ先

<参考資料>

1. 多発性硬化症治療剤「テクフィデラ」、「タイサブリ」、「アボネックス」について

「テクフィデラ」(一般名:フマル酸ジメチル)は、多発性硬化症で最も多くみられる病態である再発寛解型多発性硬化症など再発型多発性硬化症に対する経口治療薬です。日本においては、2016年12月に「多発性硬化症の再発予防および身体的障害の進行抑制」を効能・効果として承認を取得し、2017年2月から販売されています。2013年に米国で初めて承認され、現在世界54カ国(2016年8月現在)で承認されています。米国、欧州各国では第一選択薬として広く使用されており、これまでにテクフィデラによる治療を受けた患者さんは世界で25万人にのぼります。

「タイサブリ」(一般名:ナタリズマブ(遺伝子組換え))は、ヒト化抗ヒトα4インテグリンモノクローナル抗体であり、多発性硬化症に対する病態修飾薬です。日本においては、2014年3月に「多発性硬化症の再発予防及び身体的障害の進行抑制」を効能・効果として承認を取得し、2014年6月から販売されています。タイサブリは、米国および欧州各国を含む世界 77カ国(2016年4月現在)以上で承認されており、全世界で治療を受けた患者数は16万7000人にのぼります。

「アボネックス」(一般名:インターフェロン ベーター1a(遺伝子組換え))は、日本においては、2006年7月に「多発性硬化症の再発予防」を効能・効果として承認を取得し、2006年11月から販売されています。2013年12月にはペン型製剤の承認を取得し、2014年6月より販売されています。

2. エーザイ株式会社について

エーザイ株式会社は、本社を日本に置く研究開発型グローバル製薬企業です。患者様とそのご家族の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネフィット向上に貢献する「ヒューマン・ヘルスケア(hhc)」を企業理念としています。グローバルな研究開発・生産・販売拠点ネットワークを持ち、戦略的重要領域と位置づける「神経領域」「がん」を中心とするアンメット・メディカル・ニーズの高い疾患領域において、世界で約1万人の社員が革新的な新薬の創出と提供に取り組んでいます。

エーザイ株式会社の詳細情報は、http://www.eisai.co.jpをご覧ください。

3. バイオジェンについて

神経科学領域のパイオニアであるバイオジェンは、最先端の医学と科学を通じて、重篤な神経学的疾患、神経変性疾患の革新的な治療法の発見および開発を行い、世界中の患者に提供しています。1978年にチャールズ・ワイスマン、ノーベル賞受賞者であるウォルター・ギルバートとフィリップ・シャープにより設立されたバイオジェンは、世界で歴史のあるバイオテクノロジー企業であり、多発性硬化症の領域をリードする製品ポートフォリオを持ち、脊髄性筋萎縮症の唯一の治療薬を製品化しました。また、アルツハイマー病、神経免疫疾患、運動性疾患、神経筋障害、疼痛、眼科、神経精神医学といった神経領域の研究においても最先端の活動を展開しています。生物製剤の高い技術力を活かし、バイオジェンは高品質のバイオシミラーの製造と製品化にも注力しています。バイオジェンに関する情報については、http://www.biogen.comおよびSNS媒体Twitter, LinkedIn, Facebook, YouTubeをご覧ください。

バイオジェン・ジャパンは、米国バイオジェンの日本法人です。世界で最も歴史のある独立系バイオテクノロジー企業の日本法人として、日本では2000年より事業を展開しています。バイオジェン・ジャパンに関する情報については、http://www.biogen.co.jpをご覧ください。

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    Kinoshita M, Obata K, Tanaka M. Latitude has more significant impact on prevalence of multiple sclerosis than ultraviolet level or sunshine duration in Japanese population, Neurological Sciences, 2015;36(7):1147-51.