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ニュースリリース

2017年9月19日

「レンビマ®」(レンバチニブ)の全身化学療法歴のない切除不能な肝細胞がんを対象とした臨床第III相試験結果を第11回国際肝癌学会年次総会にて発表
―B型肝炎ウイルス由来の肝細胞がん患者様を対象とした部分集団解析結果―

 エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫)は、このたび、自社創製の抗がん剤レンバチニブメシル酸塩(一般名、製品名:「レンビマ®」「Kisplyx®」、以下 レンバチニブ)に関する全身化学療法歴のない切除不能な肝細胞がんにおけるソラフェニブを対照薬とした臨床第III相試験(REFLECT/304試験)について1、B型肝炎ウイルス(Hepatitis B Virus:HBV)由来の肝細胞がん患者様の部分集団解析結果を、韓国ソウルで開催された第11回国際肝癌学会(International Liver Cancer Association:ILCA)年次総会にて初めて発表しましたのでお知らせします。

 本試験の全体集団を対象とした解析では、レンバチニブは、ソラフェニブに対して、主要評価項目である全生存期間(Overall Survival:OS)において、全身化学療法として初めて統計学的な非劣性を証明し、副次評価項目である無増悪生存期間(Progression Free Survival:PFS)、無増悪期間(Time To Progression:TTP)の中央値、および奏効率(Objective Response Rate:ORR)については、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示しました。
 今回新たに発表された解析結果では、レンバチニブは、HBV由来の肝細胞がん患者様の部分集団において全体集団よりもOS、PFS、TTPのハザード比の数値の低下、およびORRのオッズ比の数値の増加を示しました(下表)。従来の薬物療法において治療効果の低減が示唆されているHBV由来の肝細胞がん患者様に対しても優れた効果を示したことから、レンバチニブは肝細胞がんに対する新たな治療オプションとなることが期待されます。

評価項目全体集団HBV由来の肝細胞がん患者様の部分集団
レンバチニブ群
(n = 478)
ソラフェニブ群
(n = 476)
レンバチニブ群
(n = 259)
ソラフェニブ群
(n = 244)
OS中央値,(月)
HR(95% CI)
13.6(12.1-14.9) 12.3(10.4-13.9) 13.4(11.6-14.6) 10.2(8.6-12.4)
0.92(0.79-1.06) 0.83(0.68-1.02)
PFS中央値,(月)
HR(95% CI)
7.4(6.9-8.8) 3.7(3.6-4.6) 7.3(5.6-9.1) 3.6(2.6-3.6)
0.66(0.57-0.77) 0.62(0.50-0.75)
TTP中央値,(月)
HR(95% CI)
8.9(7.4-9.2) 3.7(3.6-5.4) 7.6(6.6-9.2) 3.6(3.4-3.7)
0.63(0.53-0.73) 0.58(0.47-0.72)
ORR,(%)
OR(95% CI)
24.1(20.2-27.9) 9.2(6.6-11.8) 20.8(15.9-25.8) 8.2(4.8-11.6)
3.13(2.15-4.56) 3.15(1.80-5.53)

* CI:信頼区間(Confidence Interval), HR:ハザード比(Hazard Ratio), OR:オッズ比(Odds Ratio)

 レンバチニブにおける安全性は、HBV由来の肝細胞がん患者様の部分集団と全体集団で同様であり、主な有害事象(上位5つ)は、高血圧、下痢、体重減少、疲労、食欲減退でした。

 肝がんはがん関連死亡原因の第2位であり、世界で年間約75万人が肝がんのために亡くなっています。また、年間新規患者数78万人のうち、約80%がアジア地域に集中しています2。肝細胞がんは、肝がん全体の約85~90%を占めており、切除不能な肝細胞がんの治療方法が限られていることから、予後が極めて悪く、アンメット・メディカル・ニーズが高い疾患です。
 当社は、レンバチニブの肝細胞がんに係る適応について、2017年6月に日本において、同年7月に米国と欧州において承認申請を行い、中国においては2017年度下期に承認申請を行う予定です。

 当社は、引き続きレンバチニブを患者様価値増大に結びつけるべくエビデンスの創出に邁進し、がん患者様とそのご家族、さらには医療従事者の多様なニーズの充足とベネフィット向上により一層貢献してまいります。

以上


<参考資料>

1.  レンバチニブメシル酸塩(一般名、以下 レンバチニブ、商品名:「レンビマ」「Kisplyx」)について

 レンバチニブは、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)であるVEGFR1、VEGFR2、VEGFR3や線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)のFGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4に加え、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)のPDGFRα、KIT、RETなどの腫瘍血管新生あるいは腫瘍悪性化に関与する受容体型チロシンキナーゼに対する選択的阻害活性を有する経口投与可能な、自社創出の新規結合型チロシンキナーゼ阻害剤です。
 現在、レンバチニブは、甲状腺がんに係る適応で米国、日本、欧州など50カ国以上で承認を取得しています。また、米国、欧州などでは、腎細胞がん(二次治療)に対するエベロリムスとの併用療法に係る承認も取得しています。欧州での本適応については「Kisplyx®」の製品名で発売しています。
 さらに本剤については、腎細胞がん(一次治療)を対象とした、エベロリムスあるいはペムブロリズマブとの2つの併用療法に関して、臨床第III相試験が進行中です。また、ペムブロリズマブとの併用による固形がん(非小細胞肺がん、腎細胞がん、子宮内膜がん、尿路上皮がん、頭頸部がん、メラノーマ)を対象とした臨床第Ib/II相試験が進行中です。また肝細胞がんを対象とした臨床第Ib相試験が進行中です。
 当社は、本剤の肝細胞がんに係る適応について、日本(2017年6月)、米国、欧州(同年7月)において承認申請を行いました。中国においては2017年度下期に承認申請する予定です。

2.  REFLECT 試験(304試験)について1

 304試験は、全身化学療法歴のない切除不能な肝細胞がんの患者様954人を対象とした、レンバチニブと標準治療薬であるソラフェニブとの有効性および安全性を比較する多施設共同、非盲検、無作為化グローバル臨床第III相試験です。本試験には、954人の患者様が各投与群に1:1の割合で無作為に割り付けられ、レンバチニブ群(478人)では、体重によって1日1回12mgまたは8mgが投与され、ソラフェニブ群(476人)では1回400mgを1日2回投与されました。投与は病勢進行あるいは忍容できない有害事象の発現まで継続されました。
 本試験は、主要評価項目をOSとし、非劣性の検証を目的に実施しました。また、副次評価項目としてPFS、TTP、ORR、クオリティ・オブ・ライフ(Quality of Life:QOL)などを評価しました。
 主要評価項目であるOSは、レンバチニブ群で13.6カ月(中央値)であり、ソラフェニブ群の12.3カ月(同)に比較して、統計学的に非劣性が証明され(ハザード比0.92(95%信頼区間:CI = 0.79-1.06))、主要評価項目を達成しました。副次評価項目において、PFS(中央値)は、レンバチニブ群で7.4カ月、ソラフェニブ群で3.7カ月でした(ハザード比0.66(95%CI = 0.57-0.77)、P < 0.00001)。また、TTP(中央値)は、レンバチニブ群で8.9カ月、ソラフェニブ群で3.7カ月(ハザード比0.63(95%CI = 0.53-0.73)、P < 0.00001)、ORRは、レンバチニブ群で24%、ソラフェニブ群で9%(P < 0.00001)でした。これら3つの評価項目について、レンバチニブ群はソラフェニブ群に対してそれぞれ2倍以上にするなど、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示しました。
 本試験のレンバチニブ投与群で確認された主な有害事象(上位5つ)は、高血圧、下痢、食欲減退、体重減少、疲労であり、これまでに認められた安全性プロファイルと同様でした。

1 Cheng Aら、“全身化学療法歴のない切除不能な肝細胞がんにおけるソラフェニブを対照としたレンバチニブの臨床第III相試験”、第53回米国臨床腫瘍学会年次総会(2017年6月)、抄録番号4001
2 GLOBOCAN2012: Estimated Cancer Incidence, Mortality and Prevalence Worldwide in 2012. http://globocan.iarc.fr/