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ニュースリリース

2016年12月22日

エーザイ株式会社と慶應義塾大学が新しい産・医連携拠点を設立
-認知症の次世代治療薬開発につながる新規創薬標的の探索研究を加速-

エーザイ株式会社
慶應義塾大学


 エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫、以下 エーザイ)と慶應義塾大学(塾長:清家篤)は、このたび、認知症における新薬の探索・開発に関する新たな共同研究の実施について合意しましたので、お知らせします。本共同研究では、エーザイと慶應義塾大学の研究者が参画する研究ラボを設立して、認知症の次世代治療薬・予防薬の開発につながる新規創薬標的候補およびバイオマーカーの同定と検証をめざします。

 本合意に基づき、エーザイと慶應義塾大学は、認知症治療に新たなイノベーションを起こす産・医連携拠点として、臨床医学と基礎医学の研究集積地である慶應義塾大学信濃町キャンパス(東京都新宿区)内に「エーザイ・慶應義塾大学 認知症イノベーションラボ」(仮称)を設立します。本イノベーションラボは、両者の経験豊かな研究者で構成される予定です。

 慶應義塾大学は、百寿総合研究センターを始めとした、基礎臨床一体型の医学・医療研究に強みを有しています。また、ヒトiPS細胞に関する世界トップクラスの研究成果を数多く発表しています。
 エーザイは、低分子化合物、天然物由来中分子、抗体を生み出す創薬技術を基盤とした30年以上にわたる認知症分野における創薬活動や、「アリセプト®」(一般名:ドネペジル塩酸塩)に関する情報提供活動を通じて培った豊富な経験と知識を有しています。

 本イノベーションラボにおいては、両者の強みを結集し、健康長寿をベースとして、「遺伝的背景」「環境因子」「防御機構」に焦点を当てたこれまでにないアプローチにより、認知症に対する新しいバイオマーカーおよび創薬標的探索の研究スピードを加速し、新薬創出の成功確率を向上させることをめざします。本イノベーションラボの機能として、先端質量分析技術を駆使した「臨床オミクス分析機能」、人工知能(AI)等を活用し創薬標的候補特定につなげる「データ解析機能」、iPS細胞技術等を活用し創薬ターゲットバイオロジーを進める「バイオロジカルバリデーション機能」を有します。これらの研究機能が、中心的コンセプトであるヒューマン・バイオロジーに基づく仮説生成とモデルによる検証を繰り返す「双方向トランスレーションサイクル」を通じ密に連携することにより、正しい疾患の理解に基づく有用なバイオマーカーと創薬標的の発見、および次世代の新薬創出をめざします。

 エーザイ・ニューロロジービジネスグループのチーフディスカバリーオフィサーである木村禎治執行役は、「認知症は高齢社会における大きな社会的・医学的課題であり、その克服に貢献することはエーザイの使命であると考えています。エーザイはコンピューテーション技術と神経領域における創薬力、バイオマーカー研究力を強みとしています。本イノベーションラボを通じて、世界トップクラスのiPS細胞技術および臨床・基礎医学力を有する慶應義塾大学との連携により新たなイノベーションの創出につなげ、新薬を患者様に一日でも早くお届けできることを期待しています。」と述べています。

 また、慶應義塾大学の岡野栄之医学部長は、「本イノベーションラボの設立は、「アリセプト®」をはじめとした、これまでエーザイが培ってこられた認知症創薬の基盤と慶應義塾大学の百寿研究および認知症研究とが融合し、両者の競争力をさらに増して実用化に結びつける絶好のチャンスと考えています」と述べています。

以上

本件に関する報道関係お問い合わせ先
エーザイ株式会社
PR部
TEL:03-3817-5120
慶應義塾大学
信濃町キャンパス総務課:鈴木・吉岡
TEL: 03-5363-3611


<参考資料>

1. 慶應義塾大学における医学研究について

 慶應義塾大学は、医学部、看護医療学部、薬学部、理工学部、環境情報学部など、生命医科学医療の分野に直接関わる多彩な学部・大学院や先端生命科学研究所などの研究所を擁し、密接に連携協働することを通して、総合的に研究を推進しています。特に、iPS細胞・幹細胞研究を中心とした再生医学や免疫学の分野では本邦の拠点の1つとして認知されているほか、2014年8月には慶應義塾大学病院に臨床研究推進センターを設置し、トランスレーショナルリサーチから臨床研究・治験までの各研究開発プロセスを一貫して完遂する体制を整備しました。また、2016年3月25日には、日本の革新的医薬品・医療機器の開発に必要な質の高い臨床研究・治験を推進し、国際水準の臨床研究や医師主導治験の中心的な役割を担う病院として、医療法に基づく臨床研究中核病院の認定を受けました。
 2017年、慶應義塾大学医学部は開設100年を迎えるにあたり、世界に冠たる総合医学府の構築に向けさらに教育・研究・医療の充実化を加速させています。
 慶應義塾大学の詳細情報は、https://www.keio.ac.jp/ja/ をご覧ください。

2. エーザイ株式会社について

 エーザイ株式会社は、「患者様とそのご家族の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネフィット向上に貢献するヒューマン・ヘルスケア(hhc)」を企業理念としています。グローバルな研究開発・生産・販売拠点ネットワークを持ち、戦略的重要領域と位置づける「神経領域」、「がん」を中心とするアンメット・メディカル・ニーズの高い疾患領域において、世界で約1万人の社員が革新的な新薬の創出と提供に取り組んでいます。
 神経領域においては、特に、認知症分野における予防と治癒の実現をめざして、創薬活動に注力しています。次世代アルツハイマー病治療剤として、BACE(ベータサイト切断酵素)阻害剤elenbecestat(開発コード:E2609)と抗アミロイドベータプロトフィブリル抗体BAN2401の開発プログラム、また、不眠障害に加えて認知症に伴う不規則睡眠覚醒リズム障害という新たなアンメット・メディカル・ニーズの充足をめざす、デュアルオレキシン受容体拮抗剤lemborexant(開発コード:E2006)の開発プログラムなど、豊富なパイプラインを有しています。
 また、エーザイ株式会社は開発途上国・新興国における医薬品アクセスの改善に向け主要なステークホルダーズとの連携を通じ積極的な活動を展開しています。
 エーザイ株式会社の詳細情報は、http://www.eisai.co.jp をご覧ください。