ここから本文です

ニュースリリース

2015年6月22日

抗てんかん剤「Fycompa®」の全般てんかんの強直間代発作に対する併用療法の適応に関して米国FDAより承認取得

 エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫)は、このたび、米国子会社であるエーザイ・インクが、自社創製の抗てんかん剤「Fycompa®」(一般名:ペランパネル水和物)について、「12歳以上の全般てんかん患者様の強直間代発作(PGTC)に対する併用療法」の適応拡大に関する承認を、米国食品医薬品局(FDA)より取得したことをお知らせします。

 今回の適応拡大の承認は、PGTCを有する患者様164人を対象としたプラセボ対照臨床第III相試験(332試験)に基づくものです。本試験において、「Fycompa」は、PGTC発作頻度変化率をプラセボと比較して統計学的に有意に減少させました(「Fycompa」投与群:-76.5%、プラセボ投与群:-38.4%、p<0.0001)。また、PGTC発作頻度50%減少達成率は、「Fycompa」投与群で64.2%であり、プラセボ投与群(39.5%)と比較して統計学的に有意な改善を示しました(p=0.0019)。さらに、「Fycompa」投与群では、30.9%の患者様において、治療維持期13週間にわたりPGTC無発作状態が維持されました(プラセボ投与群では12.3%)。なお、本試験において認められた主な有害事象は、めまい、疲労、頭痛、傾眠、易刺激性でした。

 「Fycompa」は、自社創製のファースト・イン・クラスの抗てんかん剤です。本剤は、グルタミン酸によるシナプス後AMPA受容体の活性化を阻害し、神経の過興奮を抑制する高選択的、非競合AMPA受容体拮抗剤です。米国では、本剤は12歳以上のてんかん患者様の部分発作(二次性全般化発作を含む)に対する併用療法の適応で2012年10月に承認され、2014年1月に発売されました。

 強直間代発作は、突然の転倒による重篤なけがの恐れがあるほか、その発作頻度は「てんかん患者の予期せぬ突然死(SUDEP: Sudden Unexpected Death in Epilepsy)」の最も重要な危険因子とされ1、てんかんの中でも最も重篤な発作型の一つです。本剤は、今回の適応拡大により、部分てんかん、全般てんかんを問わず強直間代発作に対する併用療法として使用可能となりました。

 米国におけるてんかん患者様数は290万人と報告されています。てんかん患者様の約30%が既存の抗てんかん剤では発作を十分にコントロールできておらず2、アンメット・メディカル・ニーズの高い疾患です。当社は、てんかん領域を重点疾患領域と位置づけ、「Fycompa」をはじめ、本領域に豊富な製品ラインナップを有しており、複数の治療オプションを提供することで、てんかん患者様とそのご家族の 多様なニーズの充足とベネフィット向上に引き続き貢献してまいります。


以上

<参考資料>

1.「Fycompa」(ペランパネル水和物)について
 「Fycompa」は、当社が創製したファースト・イン・クラスの抗てんかん剤です。てんかん発作は、神経伝達物質であるグルタミン酸により誘発されることが報告されており、本剤は、グルタミン酸によるシナプス後AMPA受容体の活性化を阻害し、神経の過興奮を抑制する高選択、非競合AMPA受容体拮抗剤です。
 本剤は1日1回の経口投与の錠剤です。12歳以上のてんかん患者様の部分発作(二次性全般化発作を含む)に対する併用療法を適応として、45カ国以上で承認を取得し、25カ国以上で販売されています。
 12歳以上のPGTC患者様に対する併用療法については、2014年8月に欧米で適応拡大申請を行い、米国で今回承認を取得したほか、欧州では2015年5月に欧州医薬品審査庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)より承認勧告を受領しています。また、スイスとロシアで申請中です。
 また、日本・アジアで実施した部分てんかんを対象にした臨床第III相試験(335試験)において、主要評価項目を達成し、日本では332試験と335試験の結果に基づき、全般てんかんと部分てんかんを効能・効果として2015年度上期中の同時申請を予定しています。さらに、部分てんかんの小児患者様を対象に欧米で臨床第II相試験を実施しています。

2. 332試験の概要3
試験名称 強直間代発作(二次性全般化発作を除く、PGTC)を有する患者様を対象として、他剤併用時におけるペランパネルの有効性及び安全性を評価する多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験
対象 1∼3種類の抗てんかん剤による治療を受けているPGTCを有する12歳以上の患者様164名
投与法 プラセボ対照、ペランパネル(経口用錠剤)1日1回投与、治療漸増期に8mg/日まで漸増し、治療維持期に8mg/日投与
治療期間 観察期(スクリーニング期及び観察期) 最長12週間
治療期(治療漸増期4週間及び治療維持期13週間) 17週間
継続投与期 38週間以上
実施地域 米国、欧州、日本、アジア
主要評価項目
PGTC発作頻度変化率 (米国申請用主要評価項目): 治験薬投与後28日間あたりのPGTC発作回数の投薬前からの減少の割合
PGTC発作頻度50%減少達成率 (EU申請用主要評価項目): 治療維持期28日間あたりのPGTC発作回数を投薬前と比較して50%以上減少した被験者の割合
結果
PGTC発作頻度変化率は、「Fycompa」投与群で-76.5%となり、プラセボ投与群における-38.4%との比較で統計学的に有意な減少を示しました(p<0.0001)
PGTC発作頻度50%減少達成率は、「Fycompa」投与群は64.2%であり、プラセボ投与群の39.5%と比較して統計学的に有意な改善を示しました(p=0.0019)
「Fycompa」投与群では、30.9%の患者様が治療維持期13週間にわたりPGTC発作について無発作の状態が維持されました(プラセボ投与群では12.3%)
主な有害事象 「Fycompa」投与群で10%より発生頻度が高く、かつプラセボ投与群より発生頻度が高い主な有害事象は、めまい(「Fycompa」投与群 vs プラセボ投与群 = 32.1% vs 6.1%)、疲労(同 14.8% vs 6.1%)、頭痛(同 12.3% vs 9.8%)、傾眠(同 11.1% vs 3.7%)、易刺激性(同 11.1% vs 2.4%)でした。

3. 強直間代発作について
 てんかんの患者様数は、米国が290万人、欧州(G5:イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン)が240万人、日本が100万人、世界中で5,000万人超と報告されています。
 強直間代発作は、突然の転倒による重篤なけがの恐れがあるほか、その発作頻度は「てんかん患者の予期せぬ突然死(SUDEP: Sudden Unexpected Death in Epilepsy)」の最も重要な危険因子とされ1、 てんかんの中でも最も重篤な発作型の一つです。強直間代発作は、多くの患者様でなんら予告症状なしに意識喪失を生じ、急激な強直性筋収縮による転倒に次いで、間代性けいれんを経て、筋弛緩し、意識障害に至る重篤な経過を辿ることから、日常生活上の支障が大きいことが知られています。発作は数分で治まり、しばらく意識不鮮明やもうろう状態あるいは睡眠に移行した後、正常に戻るのが一般的な経過です。

1 Shorvon S, Tomson T. “Sudden unexpected death in epilepsy.” Lancet, 2011; 378:2028-2038
2 “The Epilepsies and Seizures: Hope Through Research. What are the epilepsies?” National Institute of Neurological Disorders and Stroke, accessed June 19, 2015, http://www.ninds.nih.gov/disorders/epilepsy/detail_epilepsy.htm#230253109
3 French JA, et al. “Adjunctive Perampanel for Treatment of Drug-Resistant Primary Generalized Tonic-Clonic Seizures in Patients with Idiopathic Generalized Epilepsy: A Double-Blind, Randomized, Placebo-Controlled Phase III Trial.” Abstract. 68th American Epilepsy Society (AES) Annual Meeting, 2014; 2.389