次世代アルツハイマー型認知症治療剤についてバイオジェン・アイデック社との共同開発・共同販促提携地域に日本を追加

エーザイ株式会社(本社:東京都、社長:内藤晴夫、以下 エーザイ)は、2014年3月にバイオジェン・アイデック・インク(本社:米国マサチューセッツ州、CEO:George A. Scangos、以下 バイオジェン・アイデック)と締結した次世代アルツハイマー型認知症(AD)治療剤に関する共同開発・共同販促契約に関して、このたび、日本を共同開発・共同販促の地域に追加するオプション権を行使しましたのでお知らせします。

これにより、両社は、欧米を中心とする主要地域に加えて日本においても、エーザイが開発している次世代AD治療剤であるBACE阻害剤「E2609」および抗アミロイドβ(Aβ)プロトフィブリル抗体「BAN2401」について、エーザイ主導のもとで共同開発を進めるとともに、承認取得後は共同販促を行います。また、日本における両剤の開発に関わる研究開発費等の費用は両社で分担し、承認取得・発売後の売上高はエーザイに計上され、利益は両社で分配します。エーザイは、今回のオプション権行使に伴い、バイオジェン・アイデックより一定の一時金を受領するとともに、本共同開発の進捗に応じたマイルストン支払い受領の権利を得ます。

エーザイは、当社が持つAD領域におけるナレッジとバイオジェン・アイデックの神経変性疾患領域における強みとのシナジーにより、「E2609」および「BAN2401」の開発成功確率の向上と開発期間の短縮を実現し、日本を含む世界の患者様に有望な治療剤を一日でも早くお届けすることをめざしてまいります。

以上

[参考資料として、E2609、BAN2401、バイオジェン・アイデック・インクについて添付しています]

<参考資料>

1. E2609について

E2609は、エーザイが次世代経口アルツハイマー型認知症治療剤として開発している自社創製のBACE阻害剤であり、アミロイド前駆体タンパク質のβサイト切断酵素であるBACEを阻害することで、アミロイドβ(Aβ)を減少させます。Aβの脳内の沈着はアルツハイマー型認知症の病因の一つと考えられており、Aβを減少させることにより、症状改善だけでなく病態の進行を抑制するなどの疾患修飾作用も期待されています。現在、臨床第Ⅱ相試験の開始に向けて準備中です。

2. BAN2401について

BAN2401は、アルツハイマー型認知症に対する免疫療法剤創製を目的としたバイオアークティック・ニューロサイエンス社(本社:スウェーデン、ストックホルム、以下 バイオアークティック)との共同研究から得られた、ヒト化モノクローナル抗体です。アルツハイマー型認知症を惹起させる因子の一つと考えられている、神経毒性を有する可溶性のAβ凝集体に選択的に結合して無毒化、脳内からこれを除去する世界で初めてのモノクローナル抗体です。本抗体による治療アプローチは、病態の進行を抑制するなどの疾患修飾作用が期待されています。エーザイは、本抗体について、2007年12月にバイオアークティックとのライセンス契約により、全世界におけるアルツハイマー型認知症を対象とした研究・開発・製造・販売に関する権利を獲得しています。現在、臨床第Ⅱ相試験を進行中です。

3. バイオジェン・アイデック・インク(Biogen Idec, Inc.)について

バイオジェン・アイデック・インク(本社:米国マサチューセッツ州)は、最先端の科学および医学を用いて、神経変性疾患、血友病および自己免疫疾患に対する革新的な治療剤を創製、開発し、世界中の患者様にお届けしています。1978年に設立されたバイオジェン・アイデック・インクは、独立したバイオテクノロジー企業として世界で最も古い歴史を誇っています。バイオジェン・アイデック・インクは多発性硬化症の治療剤を通して世界中の患者様をサポートしています。バイオジェン・アイデック・インクの詳細情報は、 http://www.biogenidec.comをご覧ください。