抗悪性腫瘍剤「ギリアデル®脳内留置用剤7.7mg」の製造販売承認をノーベルファーマ社から承継

エーザイ株式会社(本社:東京都、社長:内藤晴夫)は、ノーベルファーマ株式会社(本社:東京都、社長:塩村仁、以下「ノーベルファーマ」)から抗悪性腫瘍剤「ギリアデル®脳内留置用剤7.7mg」(一般名:カルムスチン)の日本における製造販売承認を12月2日付にて、承継することとなりましたので、お知らせします。

「ギリアデル®脳内留置用剤7.7mg」は、日本では、ノーベルファーマが臨床試験を実施し、2012年9月に製造販売承認を取得しました。当社は販売元として、ノーベルファーマとともにプロモーションを実施していましたが、このたび、両社によるライセンス契約に基づき、当社が保有していた権利を行使し、製造販売承認をノーベルファーマから当社に承継することになりました。なお、承継後も引き続き、ノーベルファーマと共同プロモーションを行いますが、当社は日本における本剤の製造販売元として、医療現場のニーズへの対応や適正使用の推進などを主体的に進めてまいります。

「ギリアデル®脳内留置用剤7.7mg」は、2013年1月9日に発売された、ニトロソウレア系アルキル化剤であるカルムスチンを生体内分解性のポリマー基剤に含んだ、国内で唯一の脳内留置用の徐放性製剤です。悪性神経膠腫の切除術後の残存腫瘍近辺に、本剤を留置することにより、術直後から腫瘍細胞に直接、高濃度の抗悪性腫瘍剤を一定期間にわたり効率よく曝露させるため、術後療法(放射線療法、化学療法など)開始までの治療空白期を埋めることができます。

当社は、がん治療の新しい選択肢を提供することで、同疾患におけるアンメット・メディカル・ニーズの充足と、患者様とそのご家族のベネフィット向上に、より一層の貢献をしてまいります。

以上

[参考資料として、「ギリアデル®脳内留置用剤 7.7mg」、神経膠腫、
ノーベルファーマ株式会社について、を添付しています]

<参考資料>

1. 「ギリアデル®脳内留置用剤 7.7mg」について

本剤は、ニトロソウレア系アルキル化剤であるカルムスチンを生体内分解性のポリマー基剤に含んだ、国内で唯一の脳内留置用の徐放性製剤です。悪性神経膠腫の切除術後の残存腫瘍近辺に、本剤を留置することにより、術直後から腫瘍細胞に直接、高濃度の抗悪性腫瘍剤を一定期間にわたり効率よく曝露させるため、術後療法(放射線療法、化学療法など)開始までの治療空白期を埋めることができ、残存腫瘍縮小や増殖抑制効果を発揮することが期待できます。日本では、ノーベルファーマが臨床試験を実施し、2012年9月に製造販売承認を取得し、2013年1月より当社が販売元として販売しています。

2. 神経膠腫(しんけいこうしゅ)について

神経膠腫は、脳腫瘍のうち、脳実質内に存在するグリア細胞由来の原発性腫瘍の総称で、その多くは予後不良な悪性の腫瘍です。神経膠腫は原発性脳腫瘍の約30%を占め、多くは脳内・脊髄内に拡がって発育(浸潤)することが特徴で、腫瘍の境界が不鮮明であり、周辺部では正常脳組織と腫瘍細胞が混在し手術による全摘出が困難であるため、悪性の神経膠腫の5年生存率は25%以下と予後不良の腫瘍です。

神経膠腫の標準的治療として、通常、外科的手術(開頭手術)が行われ、多くの場合、術後に放射線治療や化学療法が行われます。しかし、化学療法剤の全身投与では、有効成分が血液脳関門により脳内の腫瘍部位では有効濃度まで十分に到達せず、全身的副作用のため十分量の化学療法剤を投与できないこともまた悪性神経膠腫の予後が悪い理由のひとつに挙げられます。

3. ノーベルファーマ株式会社について

ノーベルファーマ株式会社は、アンメットニーズの高い医薬品を開発し、その薬剤を必要とする患者のお手もとにお届けすることを使命として、2003年に設立されました。

オーファンドラッグ、効能・効果外で使用されている医薬品、小児用医薬品などアンメットニーズの高い医薬品の研究開発に鋭意取り組み、必要とされる現場にお届けすることにより医療へ貢献しています。既に8つの新薬の製造販売承認を取得し、それぞれを必要とされる現場にお届けしています。いずれも、これまで医薬品で治療満足度が低かった疾病の治療に使われています。

ノーベルファーマ株式会社の詳細情報は、同社のウェブサイトhttp://www.nobelpharma.co.jpをご覧ください。