ここから本文です

ニュースリリース

2013年10月1日

インドにおいて、抗がん剤「Halaven®」を新発売

 エーザイ株式会社(本社:東京都、社長:内藤晴夫)は、このたび、当社のインド子会社であるEisai Pharmaceuticals India Pvt. Ltd. (所在地:ムンバイ市、以下 エーザイ・インド)が抗がん剤「Halaven®」(一般名:エリブリンメシル酸塩)を新発売しましたので、お知らせします。

 本剤は、当社が自社創製・開発した新規抗がん剤であり、現在、日本、米国、欧州を始めとする50カ国以上で承認を取得しています。インドにおいては、2013年4月、「アントラサイクリン系及びタキサン系抗がん剤を含む少なくとも2種のがん化学療法による前治療歴のある局所進行性・転移性乳がん」に係る適応で、承認を取得しました。

 インドでは、毎年約11万5千人の女性が新たに乳がんとして診断され*1、2020年までに乳がんは子宮頸がんを抜き、女性において最も多いがんとなると予測されています*2。また、診断・治療の遅れや治療の中断などにより、インドでは乳がんの罹患者の死亡率が欧米に比べて高く*1、これは疾患に対する理解不足や治療アクセスの低さに加えて経済的な理由も原因のひとつとなっています。

 エーザイ・インドは、今回の発売に合わせて、本剤を必要とされる患者様がその所得に関らず本剤にアクセスできるよう、患者様の所得水準に応じて全額負担から無償まで複数の負担価格を設定する「ティアードプライシング」を導入します。当社は、医薬品アクセスの向上をグローバル製薬企業の重要な使命であると考えており、インドにおいては、アルツハイマー型認知症薬「アリセプト®」(インドでのブランド名「Aricep®」)、プロトンポンプ阻害剤「パリエット®」(インドでのブランド名「Parit™」)を、2005年の発売当初より、インドの経済状況や医療環境を考慮した患者様が購入しやすい価格(アフォーダブルプライス)で提供しています。

 当社は、新興国・発展途上国において、当社の革新的医薬品へのアクセス向上をめざした施策を積極的に展開し、これらの国々の患者様とそのご家族のベネフィット向上に貢献してまいります。

以上

*1 International Agency for Research on Cancer (http://globocan.iarc.fr/)
*2 Shetty P. India faces growing breast cancer epidemic. The Lancet 2012; 379: 992-3


[参考資料として、「Halaven®」について添付しています]

<参考資料>

1.「Halaven®」(一般名:エリブリンメシル酸塩)について
 「Halaven®」は、新規の作用機序を有する非タキサン系微小管ダイナミクス阻害剤です。海洋生物クロイソカイメン(Halichondria okadai)から抽出されたハリコンドリン類の全合成類縁化合物であり、微小管の短縮(脱重合)には影響を与えずに伸長(重合)のみを阻害し、さらにチューブリン単量体を微小管形成に関与しない凝集体に変化させる作用を有しています。
 アントラサイクリン系及びタキサン系抗がん剤を含む前治療歴のある進行または再発乳がん患者様762人を対象とした臨床第III相試験(EMBRACE試験)では、Halaven投与群は主治医選択治療群と比較し、全生存期間を2.5カ月間延長しました(全生存期間:13.1カ月 対 10.6カ月、ハザード比:0.81、p値:0.041)。また、当社は欧州と米国の審査当局からの依頼によりプロトコールの規定に加えてEMBRACE試験の結果をアップデートしました。その最新の解析データでは、Halaven投与群で主治医選択治療群に比べて2.7カ月間の全生存期間の延長が認められました(全生存期間:13.2カ月 対 10.5カ月、ハザード比:0.81、p値:0.014)。ハラヴェン投与群で高頻度(頻度25%以上)に認められた有害事象は、無気力(疲労感)、好中球減少、貧血、脱毛症、末梢神経障害(無感覚、手足等のしびれ)、悪心、便秘でした。この中で、特に重篤な有害事象として報告されたのは好中球減少(発熱を伴う症例が4%、発熱を伴わない症例が2%)です。またHalaven投与中止に至った主な有害事象は末梢神経障害(5%)でした。本剤は、乳がんについて2010年11月に最初の承認を米国で取得し、これまでに欧州、日本、シンガポール、スイス等、50カ国で承認を取得しています。また、本剤の製品価値最大化に向け、前治療歴の少ない乳がんに対する適応で欧州医薬品庁(EMA)に申請中です。また、軟部肉腫、非小細胞肺がんについても開発を進めています。