アッヴィ合同会社、エーザイ株式会社 ヒュミラ®皮下注が日本において腸管型ベーチェット病に関する効能・効果の承認取得日本において生物学的製剤で初の腸管型ベーチェット病治療薬に

アッヴィ合同会社
エーザイ株式会社

  • アッヴィ合同会社(本社:東京都、社長:ゲリー・エム・ワイナー)とエーザイ株式会社(本社:東京都、社長:内藤晴夫)は、ヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体「ヒュミラ®皮下注40mgシリンジ0.8mL」(一般名:アダリムマブ<遺伝子組換え>、以下「ヒュミラ®」)について、このたび、腸管型ベーチェット病に関する効能・効果の承認を取得しました。腸管型ベーチェット病の効能効果を取得したのは、生物学的製剤として日本で初めてとなります。

  • ベーチェット病は、口腔粘膜の再発性アフタ性潰瘍、皮膚症状、眼症状、および外陰部潰瘍、の4つを主症状とする慢性再発性の全身性炎症性疾患です。ベーチェット病は、日本において特定疾患治療研究事業対象疾患に指定されており、2012年3月時点で、特定疾患医療受給者数は18,000人以上にのぼります。そのうち、10~15%は腸管に潰瘍病変が併発し、腸管型ベーチェット病と呼ばれています。

  • 日本において「ヒュミラ®」は、自己免疫疾患領域において、関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)、尋常性乾癬、関節症性乾癬、強直性脊椎炎、若年性特発性関節炎、クローン病、腸管型ベーチェット病の7つの適応症を有することになります。

  • 日本において「ヒュミラ®」は、製造販売承認はアッヴィが取得し、アッヴィとエーザイによる1ブランド、1チャネル、2プロモーション方式で共同プロモーションを行っており、販売はエーザイが担当しています。両社は、「ヒュミラ®」を未だ満たされない医療ニーズの高い腸管型ベーチェット病の新たな治療薬として提供し、患者様に貢献してまいります。

以上

[参考資料として、製品概要、用語解説、「ヒュミラ®」、アッヴィおよびエーザイの取り組みについて添付しています]

本件に関する問い合わせ先

<参考資料>

1. 「ヒュミラ®皮下注40mgシリンジ0.8mL」製品概要(下線部が今回の追加部分)

  • 1)
    効能・効果

    関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)

    既存治療で効果不十分な下記疾患
    尋常性乾癬,関節症性乾癬
    強直性脊椎炎
    多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎
    腸管型ベーチェット病

    中等症又は重症の活動期にあるクローン病の寛解導入及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)

  • 2)
    用法・用量

    関節リウマチ
    通常,成人にはアダリムマブ(遺伝子組換え)として40mgを2週に1回,皮下注射する.なお,効果不十分な場合,1回80mgまで増量できる.
    尋常性乾癬及び関節症性乾癬
    通常,成人にはアダリムマブ(遺伝子組換え)として初回に80mgを皮下注射し,以後2週に1回,40mgを皮下注射する.なお,効果不十分な場合には1回80mgまで増量できる.
    強直性脊椎炎
    通常,成人にはアダリムマブ(遺伝子組換え)として40mgを2週に1回,皮下注射する.なお,効果不十分な場合,1回80mgまで増量できる.
    多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎
    通常,アダリムマブ(遺伝子組換え)として,体重15kg以上30kg未満の場合は20mgを,体重30kg以上の場合は40mgを2週に1回,皮下注射する.
    腸管型ベーチェット病
    通常,成人にはアダリムマブ(遺伝子組換え)として初回に160mgを,初回投与2週間後に80mgを皮下注射する.初回投与4週間後以降は,40mgを2週に1回,皮下注射する.

    クローン病
    通常,成人にはアダリムマブ(遺伝子組換え)として初回に160mgを,初回投与2週間後に80mgを皮下注射する.初回投与4週間後以降は,40mgを2週に1回,皮下注射する.

2. 用語解説

  • 1)
    腸管型ベーチェット病

    ベーチェット病(以下、BD)は、口腔粘膜のアフタ性潰瘍、皮膚症状、眼症状、外陰部潰瘍を主症状とし、急性炎症を繰り返しながら慢性的な経過をたどる全身性炎症性疾患です。BDはアジア、中近東、地中海沿岸地域に多くみられ、ヨーロッパ及びアメリカでは極めて稀な疾患です。日本のBDの有病率は世界的にみて高い方であり、2012年3月末現在、BDの18,000人以上の患者様が特定疾患医療受給を受けています。発症年齢は、男女とも20歳代後半から40歳にかけての働き盛りに多いのが特徴です。BDの病因は不明ですが、ヒトの主要組織適合抗原であるHLA-B51の陽性率がBDで高いことから、特定の遺伝素因が発症に関連していると考えられています。
    BDでは、上記の主症状に加え、腹痛、腹部不快感、下痢等の消化器症状や、右下腹部の回盲部を中心に潰瘍が生じることがあります。このような場合は腸管型ベーチェット病と呼ばれています。腸管の潰瘍が進行すると出血や穿孔を引き起こし、緊急手術を必要とすることもあります。

  • 2)
    TNFα

    TNF(腫瘍壊死因子:Tumor Necrosis Factor)とは、腫瘍細胞に対する傷害活性を有する因子として発見された細胞間相互作用を媒介するタンパク質(サイトカイン)の一つです。
    TNFαは、マクロファージ、リンパ球、血管内皮細胞など種々の細胞によって産生され、炎症反応を惹き起こしたり、増強したり、炎症細胞を活性化したりします。

  • 3)
    モノクローナル抗体

    単一株(モノクローン)の抗体産生細胞から得られた抗体で、抗原に対する結合親和性や特異性が均一の抗体です。

3. 「ヒュミラ®」について

「ヒュミラ®」は、日本において関節リウマチ(2008年4月承認)、尋常性乾癬および関節症性乾癬(2010年1月同)、クローン病(2010年10月同)、強直性脊椎炎(2010年10月同)、若年性特発性関節炎(2011年7月同)、腸管型ベーチェット病(2013年5月同)の効能・効果を取得しました。また、2012年8月に関節リウマチの効能に「関節の構造的損傷の防止を含む」が追加されました。

4. アッヴィの免疫分野への取り組み

アッヴィは、免疫疾患に対する新規治療薬の創薬と開発に力を注いでおります。1989年に創設したアボット生物科学研究所(米国マサチューセッツ州ウースター)では、自己免疫疾患の新規治療法の開発に向け、世界最高レベルの創薬活動と基礎研究を行っています。「ヒュミラ®」(海外製品名:HUMIRA®)に関する詳細や処方情報については、www.e-humira.jp/もしくはwww.HUMIRA.comをご覧ください。

5. エーザイの抗体医薬への取り組み

エーザイは、従来からの強みである低分子化合物に加えて、バイオロジクス(生物学的製剤)分野へ積極的に取り組んでいます。カン創薬ユニットでは、神戸のカン研究所と筑波研究所が連携して、セロミクスを強みとした新規創薬ターゲットの発見と、それを標的とした抗体医薬の創出に取り組んでいます。また、2007年4月に買収したモルフォテック社では、独自の技術である「Human Morphodoma®」、「Libradoma™」を活用することにより、がん・関節リウマチ・感染症などに対する新規抗体医薬の創出に取り組んでいます。さらに、スウェーデンのバイオアークテック・ニューロサイエンス社との提携によるアルツハイマー病に対する抗体医薬の開発や、日本でアッヴィと「ヒュミラ®」の開発・販売を進めるなど、抗体医薬を通して患者様とご家族の皆様のQOL向上に貢献することを目指しています。

6. アッヴィについて

アッヴィ(NYSE:ABBV)は、アボットからの分社を経て2013年に設立された研究開発型のグローバルなバイオ医薬品企業です。最先端のバイオテクノロジーと長い歴史を誇る医薬品企業の専門知識と組織を兼ね備え世界で最も複雑かつ深刻な疾患に対する先進的な治療薬を開発し、提供します。2013年現在、アッヴィは、世界で約21,000人を雇用し、170カ国以上で医薬品を販売しています。詳細はwww.abbvie.comをご覧ください。またTwitterにて@AbbVieをフォローまたはFacebookページをご参照ください。