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ニュースリリース

2013年5月8日

米国において成人向け肥満症治療剤「BELVIQ®」を新発売へ
-米国麻薬取締局によるスケジューリングが確定-

 エーザイ株式会社(本社:東京都、社長:内藤晴夫)は、肥満症治療剤「BELVIQ®」(一般名:lorcaserin hydrochloride)について、米国麻薬取締局によりスケジュールIV医薬品に分類され、現地時間5月8日に連邦官報に公表される予定となりましたことをお知らせします。これを受け、本スケジューリングの発効日(2013年6月7日)後速やかに、米国子会社のエーザイ・インクより本剤を新発売します。

 本剤は、2012年6月27日(米国現地時間)、FDAよりボディ・マス・インデックス(BMI)が30kg/m²以上、あるいは少なくとも1つ以上の合併症を患うBMIが27kg/m²以上の成人患者様の体重管理を目的とした食事療法と運動療法に対する補助療法として承認されました。本剤は、米国で肥満症治療のための処方薬として13年ぶりに承認された新規化合物です。

 本剤は、アリーナ社創製の新規化合物セロトニン受容体アゴニストであり、選択的に脳内セロトニン2C受容体を刺激することにより摂食を抑制し体重を減少させると考えられています。本剤は、食事療法と運動療法を併用することで対象患者様において持続的な体重減少効果を示し、また、II型糖尿病を有する肥満症患者様において、HbA1c(ヘモグロビンA1c)および空腹時血糖値を統計学的有意に減少させる効果が認められています。また、タイトレーションを必要としない10mg錠の1日2回の服用であり、服薬コンプライアンスの向上も期待できます。

 申請に用いた3つの臨床第III相試験は、合計約7,800人の患者様を対象に実施され、食事制限および運動に加えて本剤を服用した患者様群は、食事制限および運動のみのプラセボ群と比較して、1年後に5%以上体重が減少し、その後1年間体重減少を維持した患者様が有意に多く認められました。主な有害事象(5%以上かつプラセボより多かったケース)として、糖尿病を有さない患者様では、頭痛、めまい、けん怠感、吐き気、口渇、便秘、糖尿病を有する患者様では、低血糖、頭痛、腰痛(背部痛)、咳嗽、けん怠感が報告されました。

 米国疾病対策予防センター(Centers for Disease Control and Prevention)によると、米国成人の3分の2以上は肥満又は過体重であるとされ、肥満の割合は、1980年から2010年にかけて2倍以上(約15%から約36%)に増加しています。肥満又は過体重は、糖尿病、脂質異常症、高血圧症といった合併症を引き起こす可能性があり、肥満又は過体重の増加は大きな社会問題となっています。当社は、本剤の発売により、肥満症治療に対する新しい選択肢を提供し、同疾患の内科的治療分野におけるアンメット・メディカル・ニーズの充足と、患者様とそのご家族のベネフィット向上に、より一層の貢献をしてまいります。

以上

[参考資料として、BELVIQ®、製品概要、臨床第III相試験概要について、を添付しています]

<参考資料>

1. BELVIQ®(一般名lorcaserin hydrochloride)について

 BELVIQ®はアリーナ社創製の新規化合物であり、選択的に脳内のセロトニン2C受容体を刺激することにより摂食を抑制し、満腹感を促進すると考えられています。2C受容体を活性化することにより、患者様はより少ない食事量により満腹感を得られることが期待されます。本剤は、米国における肥満症治療の処方薬では13年ぶりの新薬として、2012年6月に米国食品医薬品局(FDA)より承認されました。当社の米国子会社であるエーザイ・インクは、米国のほか、メキシコ、ブラジル、カナダ等を含む米州20カ国で本剤に関する独占的販売供給権を有しています。

2. 製品概要(米国)
1)製品名 :BELVIQ®
2)一般名 :lorcaserin hydrochloride
3)剤形 :10mgフィルムコート錠
4)効能・効果 :ボディ・マス・インデックス(BMI)が30kg/m²以上(肥満)、あるいは少なくとも1つ以上の合併症(高血圧、脂質異常症および2型糖尿病など)を患うBMIが27kg/m²以上(過体重)の成人患者様の、低カロリーダイエットと習慣的な運動による体重管理プログラムに対する補助療法として適応される。
<効能・効果に関連する使用上の注意>
  • 処方箋薬(フェンテラミン等)、市販薬、漢方薬を含む、他の抗肥満薬との併用時における有効性と安全性は確立していない。
  • 本剤による心血管疾患の発症率および死亡率に関しては確立していない。
5)用法・用量 :10mg錠1錠を1日2回投与する。12週間の投与で5%の体重減少がなかった場合には投与を中止する。
3. BELVIQ®の臨床第III相試験概要について

 本剤のフェーズIII試験は3つの二重盲検、無作為化、プラセボ対照比較試験、1) BLOOM(Behavioral modification and Lorcaserin for Overweight and Obesity Management)試験、2) BLOSSOM(Behavioral modification and LOrcaserin Second Study for Obesity Management)試験、3) BLOOM-DM(Behavioral modification and Lorcaserin for Overweight and Obesity Management in Diabetes Mellitus)試験が実施され、合計で約7,800人の患者様が登録されました。これらの3つの試験は、プラセボおよびBELVIQ®の両投与群において、食事療法、中程度の運動、および行動カウンセリングによる標準化プログラムのもと、実施されました。
 BLOOM試験およびBLOSSOM試験では、糖尿病を有さない肥満症 (BMI: 30~45kg/m²)、または糖尿病を有さずかつ1つ以上の合併症を有する過体重(BMI:27~29.9 kg/m²)の患者様(18~65歳)を対象として実施され、BLOOM試験(3,182人)では2年間以上、またBLOSSOM試験(4,008人)では1年間以上にわたり、プラセボを対照としたBELVIQ®の有効性および安全性が評価されました。両試験において、BELVIQ®はプラセボに比較し、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある体重減少を認めました。最も多く報告された有害事象(5%以上かつプラセボより多かったケース)は、頭痛、めまい、けん怠感、吐き気、口渇、便秘でした。BLOOM試験とBLOSSOM試験の総合解析データは、2010年6月に開催された第70回米国糖尿病学会の年次会で発表されました。また、2年間にわたり実施されたBLOOM試験の結果は、New England Journal of Medicine 2010年7月15日号に掲載されました。
 BLOOM-DM試験(604人)では2型糖尿病を有する肥満または過体重の患者様を対象として、BELVIQ®の効果が評価されました。本試験のトップラインの結果について、BELVIQ®はプラセボに比較し、統計学的に有意な体重減少を示しました。また、HbA1cおよび空腹時血糖値を統計学的有意に減少させる効果が認められました。なお、本試験において最も多く報告された有害事象は、低血糖、頭痛、腰痛(背部痛)、咳嗽、けん怠感でした。