ここから本文です

ニュースリリース

2011年10月26日

世界知的所有権機関(WIPO)主催の熱帯病治療薬開発支援のための
国際的コンソーシアムに加盟

 エーザイ株式会社(本社:東京都、社長:内藤晴夫)は、10月26日(ジュネーブ現地時間)に発足した、世界知的所有権機関(WIPO)が主催する熱帯病治療薬開発のための国際共同事業「WIPOリサーチコンソーシアム」に、唯一の日系製薬企業として加盟しました。

 WIPOリサーチコンソーシアムは、最貧国を含む開発途上国の健康レベルを向上させるため、WIPOが非営利団体や研究機関、製薬企業と行う新しい共同事業です。当社を初めとする加盟機関は、WIPOが運営する公開データベースに、世界保健機関(WHO)が定義する顧みられない熱帯病やマラリア、結核に対する薬剤・候補の知的財産や研究開発ノウハウなどの情報を無償で提供し、世界の研究者・機関と共有することにより、新しい治療薬開発に向けたオープンイノベーションを促進します。

 当社は、開発途上国で蔓延している感染症の一種、リーシュマニア症の治療薬候補を含む7つの候補化合物の情報をWIPOリサーチコンソーシアムのデータベースに提供しています。このほか、本コンソーシアムが開発希望者に対して提供する支援活動への助成も行っていきます。

 当社は、ヒューマン・ヘルスケア企業として、世界の患者様の医薬品アクセスの向上に向けた多面的な取り組みを展開しています。とくに重要な鍵が公的機関とのパートナーシップであり、こうしたパートナーシップは、持続的なヘルスケア・ソリューションの実現に不可欠なものです。このたびのWIPOコンソーシアムへの加盟により、世界のアンメット・メディカル・ニーズを充足し、より多くの患者様に貢献してまいります。

 ●エーザイの医薬品アクセス改善に向けた取り組み
 世界には一日2米ドル以下で生活する人が約27億人* いると推定され、これらの人々の多くは有効な治療法があるにも関わらず、必要な治療を受けたり、薬剤を入手したりできない状況にあります。こうした医薬品アクセス問題は、各国の政府、WHOなどの国際機関、NGO、製薬企業などが連携し、解決すべき国際的な課題となっています。

 エーザイは、ヒューマン・ヘルスケア理念に基づき、各国政府や国際機関、民間企業などとの協力のもと、世界における医薬品アクセス改善に向けて中長期的視点に立った取り組みを展開しています。その一環として、WHOが取り組むリンパ系フィラリア症(熱帯病の一種)制圧に向けて、治療薬「ジエチルカルバマジン(DEC)」の無償提供に合意しました。また、ラテンアメリカを中心に深刻化しているシャーガス病に対する新薬開発に貢献すべく、国際的非営利団体との「E1224(ラブコナゾール)」の共同開発プログラムを推進しています。詳細は、エーザイ・コーポレートサイトの「医薬品アクセス」をご覧ください。
http://www.eisai.co.jp/company/atm/index.html

*世界銀行のデータより(2005年)

[参考資料として、顧みられない熱帯病について、および本コンソーシアム概要を添付しています。]

<参考資料>

1.顧みられない熱帯病について

世界保健機関(WHO)によると、顧みられない熱帯病(Neglected tropical diseases; NTD)により世界に27億人いるといわれている貧困層のうちの10億人を超える人々が健康を害していると推定されています。NTDは世界149の国と地域で蔓延しているとされており、このうち、100カ国・地域が、2種類以上のNTDの蔓延地域となっており、さらに30カ国・地域では6種類以上のNTDが蔓延しているとされています。NTDは貧困により蔓延していく一方、多くの国・地域で貧困の原因ともなっています。NTDでは、盲目や奇形などの身体症状が現れることがあり、経済活動や社会生活を送る上での障害となっています。また、重症化し、死に至る場合もあるため、社会や医療に大きな負担となっています。

2.WIPOリサーチコンソーシアムについて

WIPO リサーチコンソーシアムは、2011年10月に発足し、グローバルヘルス・コミュニティと知的財産および開発ノウハウを共有することにより、顧みられない熱帯病、結核、マラリアに対する新たな治療薬、ワクチン、診断薬の創出と開発を加速させることを使命としています。本コンソーシアムが取り組む疾患は、WHOのリストに基づく顧みられない熱帯病および結核、マラリアであり、関連する知的財産、情報およびリソースを公開データベースとして提供することにより、これらの疾患を対象とした研究開発を行う機関にパートナーシップの機会を提供します。

WIPOリサーチコンソーシアムへの加盟は、本コンソーシアムの基本指針を理解、支持するすべての企業・団体に対し開かれています。この基本指針では、本コンソーシアムを通してライセンス供与される知的所有権が、すべてのNTD・マラリア・結核に対する研究開発、および後発開発途上国における販売においてロイヤルティー・フリーで提供されることを保証しています。詳細は、本コンソーシアムのウェブサイト(www.wipoReSearch.org)をご覧ください。

3.コンソーシアム加盟機関について

提供者
アルナイラム製薬、アストラゼネカ、カリフォルニア工科大学、Center for World Health & Medicine、Drugs for Neglected Disease initiative、エーザイ、オズワルド・クルーズ財団、グラクソスミスクライン、マサチューセッツ工科大学、Medicines for Malaria Venture、MSD(MSDは米国ニュージャージー州ホワイトハウス・ステーションに本部を置くMerck & Co., Inc.の商標名です)、ノバルティス、PATH、ファイザー、サノフィ、South African Medical Research Council、スイス熱帯病公衆衛生研究所、カリフォルニア大学バークレー校、University of Dundee、米国立衛生研究所(NIH)

利用予定者
Center for World Health & Medicine、Drugs for Neglected Disease initiative、Emory University、オズワルド・クルーズ財団、iThemba Pharmaceuticals、Medicines for Malaria Venture、Sabin Vaccine Institute、South African Medical Research Council、カリフォルニア大学バークレー校、カリフォルニア大学サンフランシスコ校、University of Dundee

支援者
Association of University Technology Managers、Indian Council for Medical Research、国際製薬団体連合会(IFPMA)、Kenya Medical Research Institute、Licensing Executive Society International、Mahidol University、South African Medical Research Council、米国特許商標局

*WIPOリサーチコンソーシアムに関する詳細は、WIPO発表のプレスリリース(添付)をご覧ください。
   WIPO発表のプレスリリース 原文(English)
   WIPO発表のプレスリリース 原文(日本語訳)