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ニュースリリース

2011年9月1日

第29回国際てんかん学会でエーザイのてんかん領域における開発品・製品の最新試験データ発表
-グローバルなてんかん領域の製品ポートフォリオ拡充に向けて-

 エーザイ株式会社(本社:東京都、社長:内藤晴夫)は、2011年8月28日から9月1日までイタリア(ローマ)で開催された「第29回国際てんかん学会(29th International Epilepsy Congress:IEC)」において、当社の開発品・製品の研究成果に関して35演題(ペランパネル:5演題、Zonegran®:5演題、Zebinix®:25演題)が発表されたことを、公表しました。これらの研究は、グローバルなてんかん製品ポートフォリオ戦略に基づくものであり、てんかん領域に対する当社のコミットメントを示すものです。

 てんかんは未だアンメット・メディカル・ニーズが高い疾患であり、当社はこの領域を重点疾患領域と位置づけています。特に欧州では、成人部分てんかん(二次性全般化含む)併用療法としてZonegran®(創製・ライセンス元:大日本住友製薬)ならびにZebinix®(同:BIAL-Portela&Ca社)を、またレノックス・ガストー症候群の併用療法としてInovelon®(同:Novartis社)の3製品を取り揃え、豊富な製品ラインナップに基づいた複数の治療オプションを提供しております。また、自社創製のAMPA受容体拮抗剤「ペランパネル」は、部分てんかん併用療法で今年5月に申請し、欧州医薬品庁(EMA)により審査が開始されています。

 本学会で当社は、ペランパネルとZonegran®(小児適応)の申請に向け、当社が実施した二つの第Ⅲ相試験の結果を初めて公表しました。ペランパネルの部分てんかん併用療法に関する第Ⅲ相試験(305試験)は、1~3種類の抗てんかん薬での治療歴のある部分発作を有するてんかん患者様を対象として実施した臨床試験で、ペランパネルはプラセボと比較して、1日1回8 mg投与群、同12 mg投与群において、統計学的有意差をもって平均発作頻度の減少を示しました。Zonegran®の小児てんかんを対象とした第Ⅲ相試験(312試験)は、1~2種類の抗てんかん薬での治療歴のある部分発作を有する小児てんかん患者様を対象として実施した臨床試験で、Zonegran®はプラセボと比較して、高い忍容性をもって、より強力な抗てんかん作用を示しました。また、Zebinix®については、部分発作を有するてんかん患者様を対象として実施した3本の申請用臨床試験の詳細な解析結果に加え、新たな試験計画(小児対象、単剤療法)などが報告されました。

 当社は、てんかん領域での新薬開発および適応拡大を含めたライフサイクルマネジメントにより製品ポートフォリオの極大化をはかり、てんかん患者様とそのご家族の多様なニーズの充足とベネフィット向上に、引き続き貢献してまいります。

以上

[参考資料として、ペランパネル:305試験、Zonegran®:312試験、てんかん、
エーザイのてんかん領域での取り組みについて添付しています]

<参考資料>

1. ペランパネル:305試験について
305試験は、ペランパネルに関する3つの第Ⅲ相試験から成るEXPLORE(EXamining Perampanel Observations from Research Experience)試験の一つです。それら3試験のデザインは一貫しており、多施設共同無作為化、二重盲検、プラセボ対照、用量漸増、並行群間試験として、合計1,480名の患者様を対象に実施されました。305試験では、1~3種類の抗てんかん薬での前治療歴を持つ部分発作を有するてんかん患者様389名を対象として、米国、欧州、アジア、オーストラリア、南アフリカで実施されました。患者様は1日1回投与のプラセボまたは8 mgもしくは12 mgのペランパネル投与群のいずれかに割り付けられ、通常の治療との併用として19週間投与(6週間で漸増の後、13週間維持療法)されました。治療反応率(responder rate、発作頻度が50%以上減少した症例の割合)は、プラセボ投与群で14.7%、ペランパネルの8 mg投与群で33.3%(p=0.002)、12 mg投与群で33.9%(p=<0.001)を示しました。また、平均発作頻度(median seizure frequencies)の減少については、プラセボ投与群の9.7%と比較し、8 mg投与群で30.5%(p=0.001)、12 mg投与群で17.6%(p=0.0011)となり、統計学的有意差をもって効果が検証されました。なお、本試験において10%以上の患者様に報告された有害事象は、めまい、けん怠感、頭痛および眠気でした。また、副作用による投薬の中断は、プラセボ投与群で4.4%、8 mg投与群で9.3%、12 mg投与群で19%が観察されました。

2. Zonegran®(ゾニサミド):312試験について
312試験は、多施設共同無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験として、1~2種類の抗てんかん薬での治療歴を持つ部分発作を有する6~17才の小児てんかん患者様207名を対象として、欧州、インドで実施されました。患者様はプラセボまたはゾニサミド投与群のいずれかに割り付けられ、20週間投与(8週間で漸増の後、12週間維持療法)されました。試験を完了した患者様(ゾニサミド投与群:86.9%、プラセボ投与群:90%)の内、主要評価項目である12週間の維持療法期間中の治療反応率(responder rate、発作頻度が50%以上減少した症例の割合)は、プラセボ投与群で31.0%、ゾニサミド投与群で50.5%と、プラセボに比較して高い有効性を示しました。安全性と忍容性に関して全有害事象の発生率は、ゾニサミド投与群(55.1%)とプラセボ投与群(50.0%)とでほぼ同じでした。また、重篤な有害事象はゾニサミド投与群で3.7%、プラセボ投与群で2.0%、また有害事象による投薬の中断はゾニサミド投与群で0.9%、プラセボ投与群で3.0%観察されました。本試験においてプラセボ投与群に比してゾニサミド投与群でより多く報告された有害事象は食欲減退(ゾニサミド:6.5%、プラセボ:4.0%)、体重減少(ゾニサミド:4.7%、プラセボ:3.0%)、眠気(ゾニサミド:4.7%、プラセボ:2.0%)、嘔吐(ゾニサミド:3.7%、プラセボ:2.0%)および下痢(ゾニサミド:3.7%、プラセボ:1.0%)でした。

3. てんかんについて
てんかんは、様々な精神機能・身体機能に影響を及ぼす発作が生じる疾患です。ある患者様に2回以上の非誘発性発作が生じると、てんかんと診断されます。発作は、脳が一時的に過剰な電気的興奮を起こすことによって生じます。てんかん発作には、けいれんや意識消失、そして発作として認識されにくいblank stare (空凝視)、唇鳴らし、手足の痙動など、様々な症状が伴います。また、てんかんは年齢を問わずに発症し、一生のある時期に0.5%~2%の人がてんかんを発症すると言われています。てんかんの患者様数は、日本が100万人、欧州が240万人、米国が300万人、世界中で4000万~5000万人となっています。現在のところ、根本的な治療薬はありませんが、発作を抑制・解消する抗てんかん薬が治療に使われています。しかし、30%の患者様は、複数の治療薬を服用しても、発作の完全なコントロールはできないと考えられています。

4. エーザイのてんかん領域での取り組み
当社は、てんかん領域を重点疾患領域と位置づけ、既に成人部分てんかん併用療法として「Zonegran®」(Na/Caチャネル阻害等に基づく抗てんかん剤:欧州、米国、アジア)、「Zebinix®」(電位依存性Naチャネル阻害に基づく抗てんかん剤:欧州)を、また小児の早期から発症する重篤なてんかんであるレノックス・ガストー症候群の併用療法として「Inovelon®/BANZEL®」(Naチャネル阻害作用に基づく新規トリアゾール骨格の抗てんかん剤:欧州、アジア/米国)を販売しています。また、AMPA受容体拮抗剤「ペランパネル」について、新規作用機序を有する成人部分てんかんの治療剤として欧州で新薬承認申請を提出し、審査が開始されました。本適応において米国では新薬承認申請再提出準備中であり、日本ではフェーズⅡの段階にあります。本剤は、さらなる適応の拡大をめざし、全般てんかんについて国際共同治験としてフェーズⅢを実施しており、部分てんかん単剤療法、レノックス・ガストー症候群などの臨床試験が計画されています。
当社は、てんかん領域に豊富な製品ラインナップに基づいた複数の治療オプションを提供することで、てんかん患者様とそのご家族の多様なニーズの充足とベネフィット向上に、引き続き貢献してまいります。