英国UNIVERSITY COLLEGE LONDONとの連携が新たなフェーズに

エーザイ株式会社(本社:東京都、社長:内藤晴夫)は、英国University College London(UCL)と当社ニューロサイエンスPCU(Production Creation Unit)との連携が新たなフェーズに入った、と発表しました。当社とUCLは、1990年以来20年以上の協力関係を築いてまいりましたが、新たな連携とは、バイオマーカー研究を含む神経変性疾患(Neurodegenerative Disease)領域における、1)神経炎症(Neuroinflammation)に関する研究、2)神経血管・ミトコンドリア関連(Neurovascular/Mitochondria)に関する研究、3)タンパク質恒常性(Proteostasis)に関する研究、などで早ければ2011年度中にこれらの領域において共同研究をスタートさせます。

UCLは、英国を代表する研究志向型の総合大学であり、世界大学ランキング「QS World University Rankings 2010」において、世界第4位にランクされています1)。その研究領域は神経変性疾患関連専門の最先端研究センターである「UCL Institute of Neurology」を有し、当該領域において世界でもトップランクのフロンティア研究を展開しています。

当社とUCLは、1990年に始まる連携において、UCLキャンパス内に当社の研究所を設立し、人事交流も含め研究活動において緊密な協力関係を築いてきました。今回新たに共同研究をスタートすることにより、世界最先端の神経変性疾患関連の研究を志向していきます。また、当社はこの新たな連携を機にUCL内の研究機能を英国ハートフォードシャー・ハットフィールドにある、「エーザイ欧州ナレッジセンター」に統合します。これらによって両者の関係は新たなステージに入り、より緊密なオープン・イノベーションを通したナレッジ・クリエーションを図っていきます。

当社は神経変性疾患関連では、アルツハイマー型認知症治療におけるゴールド・スタンダードである「アリセプト®」を創出し、また複数の新規開発品を有し当該領域におけるグローバル・リーダーとして牽引してまいりました。てんかん領域においては、「Zonegran®」、「Inovelon®」、「Zebinix®」などの既存品に加えて、UCL内当社研究所との共同研究から創出された、世界初の高選択的、非競合AMPA型グルタミン酸受容体拮抗剤「ペランパネル(E2007)」を開発中で、2011年5月中に欧米にて申請をする予定です。

当社はこれまで築きあげてきたUCLとの人的交流、信頼をさらに維持・強化・発展させつつ、この間に得られた「知」の堆積を生かして、アンメット・メディカル・ニーズの充足、欧州における患者様とそのご家族のベネフィット向上に一層貢献してまいります。

以上

1) QS World University Rankings 2010.

     http://www.topuniversities.com/university-rankings/world-university-rankings/2010