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ニュースリリース

(2011年1月18日) 印刷用(PDF 33KB)

軽度アルツハイマー型認知症患者様の治療・介護を改善する英国NICEの推奨最終案


 エーザイ株式会社(本社:東京都、社長:内藤晴夫)は、英国国立医療技術評価機構(National Institute for Health and Clinical Excellence: NICE)が、軽度アルツハイマー型認知症(AD)患者様の治療に関する新しい治療ガイドラインの推奨最終案を提示したと、発表しました。
 本最終案では、「アリセプト®」を含むアセチルコリンエステラーゼ阻害剤(AChEI)を軽度・中等度AD患者様の治療の選択肢として推奨する、としています。NICEが2006年11月に改訂・発行したガイドラインにより、現時点では、これらの薬剤(AChEI)の使用は中等度AD患者様に限定されていますが、新ガイドラインによって、軽度の患者様についても再度使用が可能になります。新ガイドラインの発効は、2011年の3月中旬に予定されています。

 本推奨案は軽度AD患者様やご家族の方々にとって朗報であり、早期から薬剤の使用が可能になることを意味しています。これまで英国の医療機関は、軽度AD患者様に対し、症状が悪化した後に再度来院するよう依頼することを余儀なくされていました。しかし、新ガイドラインでは、早期から薬剤の使用が可能となるため、患者様が少しでも長く自力で生活できることの一助となります。
 また、この新ガイドラインにより、AD患者様がすべての症状ステージで、より良いクオリティー・オブ・ライフを享受する可能性が広がります。英国アルツハイマー協会も今回の最終案を歓迎し、より多くの患者様が薬剤へアクセスするべくキャンペーンを展開していきます。

 当社は、アルツハイマー型認知症に対する薬物療法の分野において、「アリセプト®」による薬物治療法を創出し、複数の規格・剤形をもって、より有用性の高い治療手段を提供してまいりました。今後も、新ガイドラインを遵守しつつ、アルツハイマー型認知症患者様とそのご家族、さらには医療従事者の多様なニーズの充足とベネフィット向上に、より一層貢献してまいります。
以上


[参考資料として、NICEガイドラインに関する追加情報、英国におけるアルツハイマー型認知症について添付しています]

<参考資料>


1. NICEガイドラインに関する追加情報
 評価委員会推奨最終案
1.13つのアセチルコリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジル、ガランタミン、リバスティグミン)は、適応に基づき、以下の条件下で、軽度-中等度アルツハイマー型認知症(AD)治療選択肢として推奨されます。
  • AD治療の専門医が治療を開始すること
  • 認知機能、全体機能、機能・行動症状に関して有効性が認められる場合に限り、治療を続けること
  • 処方される患者様は、認知機能、全体機能、機能・行動症状の評価を用い、6カ月以内ごとにレビューされること
  • AChEI を処方する場合、通常治療は1日用量、薬価を考慮してもっとも低コストから始められるべきである。しかしながら、有害事象プロファイル、順守することによる期待値、並存疾患、薬物相互作用と投与プロファイルを考慮して、適当であると判断されれば他のAChEI の処方も可能であること

1.2メマンチンは以下のAD患者様の治療オプションとして認可された適応で処方可能
  • AChEI に忍容性のない、または禁忌の中等度AD患者様
  • 重度AD患者様

2. 英国におけるアルツハイマー型認知症について
 現在、英国では、アルツハイマー型認知症(AD)等の認知症患者様数が約82万人、そのうち、イングランドは57万5千人、ウェールズは3万7千人と推定されています。ADは、最も多く見られる認知症の種類であり、英国の認知症患者数の62%を占めています。この不可逆的、進行性脳疾患は、患者様の記憶力、推論能力、思考の過程が徐々に低下し、場合によっては、患者様が簡単な行動さえもできなくなる場合もあります。ADは、身体的、精神的、介護的、医療的、社会的等、各種の影響を及ぼしています。ADは負担が大きいにもかかわらず、見落とされがちな疾患です。英国政府の医療研究予算の2.5%が認知症研究のために使われている一方で、約4分の1の予算ががん研究のために割り当てられています。