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ニュースリリース

(2010年12月16日) 印刷用(PDF 183KB)

血管塞栓用ビーズE7040 日本において製造販売承認申請


 エーザイ株式会社(本社:東京都、社長:内藤晴夫)は、このたび、医療機器である血管塞栓用ビーズE7040について、肝細胞がん患者様に対する肝動脈塞栓療法を適応として、製造販売承認申請を行いました。

 E7040は、ポリビニルアルコール高分子からなる親水性のマイクロスフィアの球状微粒子であり、注入用カテーテルを通じて対象の血管を物理的かつ選択的に塞栓する血管塞栓用ビーズです。微細で均一な球状の粒子であるため、血管径や腫瘍の大きさ等の対象範囲に合わせて、精密な塞栓が期待できます。
 日本では、2009年1月に開催された厚生労働省の「第10回医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会」において、本材の早期導入を進めることが推奨されていました。

 本材は、Biocompatibles International plc(本社:英国ファーナム、社長:クリスピン・サイモン、以下 「Biocompatibles社」)が開発し、肝細胞がんなどの多血性悪性腫瘍における血管塞栓療法に用いる有用な血管塞栓材として、欧米を中心に世界40ヵ国以上で販売されています。(欧州での製品名「DC Bead®」、米国での製品名「LC Bead™」)日本においては、Biocompatibles社と2009年7月に締結したライセンス契約に基づき、当社が独占的開発および販売権を獲得しました。

 日本における肝細胞がんの患者総数は年間約67,000人、発症数は年間約40,000人と推定されています。肝細胞がんの治療法の1つである肝動脈塞栓療法は、腫瘍に栄養供給する動脈を塞栓物質で選択的に塞栓することで、肝細胞がんに対する選択的な腫瘍壊死効果が期待されます。肝動脈塞栓療法は、約半数の肝細胞がん患者様に対し施行されており、また同治療法の対象となる患者様は、年間約20,000人と推定されています。

 当社は、がん領域を最重点領域と位置付けて取り組んでいます。当社取り扱い品として日本での抗がん剤第一号製品である「トレアキシン®点滴静注用100mg(製造販売:シンバイオ製薬株式会社)」、日米欧で同時に申請し米国で承認を取得した当社創製の新規抗がん剤「エリブリン メシル酸塩」(一般名、米国での製品名「Halaven™」、日本では申請中)に続き、血管塞栓用ビーズE7040の早期承認取得に取り組んでいきます。今後、日本におけるがん関連疾患領域の製品の充実化をはかり、がん患者様とそのご家族の多様なニーズの充足に一層貢献してまいります。
以上


[参考資料としてE7040、肝動脈塞栓療法、多血性悪性腫瘍の概要を添付しています]


<参考資料>


1. E7040の概要
 E7040は、ポリビニルアルコール高分子からなる親水性のマイクロスフィアの球状微粒子であり、注入用カテーテルを通じて対象の血管を物理的かつ選択的に塞栓する血管塞栓用ビーズです。微細で均一な球状の粒子であるため、血管径や腫瘍の大きさ等の対象範囲に合わせて、精密な塞栓が期待できます。
 本材はBiocompatibles社が開発し、肝細胞がんなどの多血性悪性腫瘍における血管塞栓療法に用いる有用な血管塞栓材として、現在、欧米を中心に世界40ヵ国以上で販売されています。
 (欧州での製品名「DC Bead®」、米国での製品名「LC Bead™」)

2. 肝動脈塞栓療法について
 肝動脈塞栓療法は、肝細胞がんに栄養を供給している肝動脈に塞栓物質を注入し、栄養動脈を閉塞することにより、選択的に肝細胞がんを壊死に導く治療法です。肝動脈塞栓療法には肝動脈塞栓療法(Transcatheter Arterial Embolization: TAE)と、阻血壊死効果に補助的にがん細胞の活性抑制効果を期待して抗がん剤を併用する肝動脈化学塞栓療法(Transcatheter Arterial Chemoembolization: TACE)という2つの療法があります。

3. 多血性悪性腫瘍について
 多血性悪性腫瘍とは腫瘍組織に発達した血管網を介して栄養供給を受けている悪性腫瘍の総称で、一般的に、肝細胞がん、腎細胞がん、骨軟部腫瘍などの腫瘍疾患を指しています。