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ニュースリリース

(2010年10月29日) 印刷用(PDF 212KB)

アボット ジャパン株式会社、エーザイ株式会社
ヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体「ヒュミラ®」
国内においてクローン病ならびに強直性脊椎炎に関する効能・効果の追加を承認取得

アボット ジャパン株式会社
エーザイ株式会社

 アボット ジャパン株式会社(医薬品事業部本社:東京都、代表取締役社長:ゲリー・エム・ワイナー)とエーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役社長兼CEO:内藤晴夫)が、国内で共同開発を進めてきたヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体「ヒュミラ®皮下注40mgシリンジ0.8mL」(一般名:アダリムマブ<遺伝子組換え>、以下「ヒュミラ®」)について、このたび、クローン病ならびに強直性脊椎炎に関する効能・効果と用法・用量の追加承認を取得しました。国内においては、関節リウマチ(2008年4月製造販売承認取得)、尋常性乾癬および関節症性乾癬(2010年1月承認取得)に続く効能・効果と用法・用量の追加となります。

 本剤はヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体であり、炎症反応に関わる中心的なサイトカインであるTNFαを中和することにより、効果を発揮します。日本において「ヒュミラ®」は、製造販売承認はアボット ジャパンが取得し、アボット ジャパンとエーザイによる1ブランド1チャネル2プロモーション方式で共同プロモーションを行っており、販売はエーザイが担当しています。

 クローン病は、消化管に潰瘍や炎症病変が発生し、長い経過の中で再燃・再発を繰り返す炎症性腸疾患であり、患者数は年々増加しています。国内で実施した中等症または重症のクローン病患者様を対象としたプラセボ対照二重盲検試験において、「ヒュミラ®」は海外試験と同様、寛解導入および寛解維持効果を示し、良好な忍容性が認められました。

 強直性脊椎炎は、頸部から腰背部や臀部、時に手足の関節の痛みやこわばりで始まり、これらの部位が固まって次第に動かなくなる全身性の慢性炎症性疾患で、抗TNFα療法の研究開発が進むまでは、特異的な治療方法はありませんでした。国内で実施した活動性の強直性脊椎炎患者様を対象とした臨床試験において、「ヒュミラ®」は海外試験と同様、強直性脊椎炎の症状・徴候を改善し、良好な忍容性が認められました。

 両社は、「ヒュミラ®」をクローン病および強直性脊椎炎の新たな治療剤として提供することにより、患者様のQOL向上に貢献してまいります。


[参考資料として、製品概要、用語解説、エーザイおよびアボット社の取り組みについて添付しています]
本件に関する問い合わせ先
エーザイ株式会社
PR部
Tel:03-3817-5120
アボット ジャパン株式会社
広報部
Tel:03-4588-4602



<参考資料>


1.「ヒュミラ®皮下注40mgシリンジ0.8mL」製品概要(下線部が今回の追加部分)
1)効能・効果
 既存治療で効果不十分な下記疾患
関節リウマチ
尋常性乾癬、関節症性乾癬
強直性脊椎炎
 中等症又は重症の活動期にあるクローン病の寛解導入及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)

2)用法・用量
 【関節リウマチ】
通常、成人にはアダリムマブ(遺伝子組換え)として40mgを2週に1回、皮下注射する。なお、効果不十分な場合、1回80mgまで増量できる。
 【尋常性乾癬および関節症性乾癬】
通常、成人にはアダリムマブ(遺伝子組換え)として初回に80mgと皮下注射し、以後2週に1回、40mgを皮下注射する。なお、効果不十分な場合には1回80mgまで増量できる。

 【強直性脊椎炎】
通常、成人にはアダリムマブ(遺伝子組換え)として40mgを2週に1回、皮下注射する。なお、効果不十分な場合、1回80mgまで増量できる。

 【クローン病】
通常、成人にはアダリムマブ(遺伝子組換え)として初回に160mgを、初回投与2週間後に80mgを皮下注射する。初回投与4週間後以降は、40mgを2週に1回、皮下注射する。

2.用語解説
1)クローン病
 クローン病は主に小腸や大腸に潰瘍や炎症病変が発生し、下痢や腹痛を伴う原因不明の慢性の炎症性腸疾患で、厚生労働省の特定疾患に指定されています。最近10年、患者数は増加しており、2008年度末には約2万9千人の患者様が登録されています(難病情報センター資料)。男女比は2対1と男性に多く、年代別に見ると、発症のピークは10歳代後半~20歳代前半となっています。クローン病は腸管狭窄、腸閉塞や膿瘍(感染部位に膿がたまる状態)を伴い、肛門周囲に痩孔(腸管に孔が開いて腸管と腸管、あるいは腸管と皮膚がつながった状態)が見られるのが特徴です。栄養療法や薬物療法等で症状が抑えられない場合には、手術適応となる場合もあります。また、クローン病は活動期と寛解期を繰り返すことから、一旦、寛解期に入っても、再燃(再び消化管に炎症が生じる)や再発(新たな部位に炎症が生じる)を予防するために長期にわたる治療が必要になります。

2)強直性脊椎炎
 強直性脊椎炎は、頸部から腰背部や臀部、時に手足の関節の痛みやこわばりで始まり、これらの部位が固まって次第に動かなくなる全身性の慢性炎症性疾患です。稀に脊椎や関節の骨性強直や変形を生じる重症例もみられます。好発年齢は10~20代であり、若年の男性で多く発症し、その多くは数十年という長い慢性の経過をとります。原因は未だ明らかとなっておりませんが、遺伝的な要因が関与していると考えられており、有病率は欧米人(0.9%)に比べて日本人(0.0065%)では低い疾患です。
 強直性脊椎炎の主な症状は、初期段階では靱帯や腱の骨への付着部の炎症です。主な病変部位は脊椎、腰部や仙腸関節であり、四肢の関節では躯幹に近い肩関節や股関節となります。その炎症部位に強い変性が起こり、それが元の組織に再生されることなく、石灰化もしくは骨化が惹起され、最終的には関節を構成する骨同士が骨性組織でつながり強直(脊椎が骨性に連続し、竹の節状のX線所見を呈する)という状態になります。疼痛や運動制限、圧痛・運動痛に加え、微熱、全身倦怠感や体重減少などの全身症状を来たすこともあります。また、眼のぶどう膜炎など、様々な症状を併発する可能性もあります。
 強直性脊椎炎の治療としては、炎症が生じている仙腸関節などの部位では炎症性サイトカインであるTNFαの濃度の上昇が認められているので、このTNFαを中和することで炎症を改善することができると考えられます。

3)TNFα
 TNF(腫瘍壊死因子:Tumor Necrosis Factor)とは、腫瘍細胞に対する傷害活性を有する因子として発見された細胞間相互作用を媒介するタンパク質(サイトカイン)の一つです。
 TNFαは、マクロファージ、リンパ球、血管内皮細胞など種々の細胞によって産生され、炎症反応を惹き起こしたり、増強したり、炎症細胞を活性化したりします。

4)モノクローナル抗体
単一株(モノクローン)の抗体産生細胞から得られた抗体で、抗原に対する結合親和性や特異性が均一の抗体です。

3.「ヒュミラ®」(海外製品名:HUMIRA®)について
 「ヒュミラ®」は、ヒトで通常に作られる抗体と類似しており、炎症反応で中心的な役割を演じるTNFα(腫瘍壊死因子α)というサイトカインを阻害することで効果を発揮します。
 「ヒュミラ®」は、2010年6月時点で、関節リウマチは86ヵ国、関節症性乾癬は79ヵ国、強直性脊椎炎は76ヵ国、クローン病は75ヵ国、尋常性乾癬は75ヵ国、若年性特発性関節炎は50ヵ国において承認されており、2010年6月現在、46万人以上の患者様に投与されています。また、「ヒュミラ®」の臨床研究は広範に行われており、複数の適応症に対して1997年4月1日から2009年11月6日までの間にアダリムマブ投与を受けた約2万4千人の患者さんの大規模な安全性データベースを有しています。さらに、現在取得している適応症以外の免疫疾患における「ヒュミラ®」の効果を検討するため、現在もいくつかの臨床試験が行われています。

4.エーザイの抗体医薬への取り組み
 エーザイは、従来からの強みである低分子化合物に加えて、バイオロジクス(生物学的製剤)分野へ積極的に取り組んでいます。特に、2007年4月に抗体医薬の研究開発を専門とする米国のバイオベンチャー企業であるモルフォテック社を買収し、同社独自の技術である「Human Morphodoma®」、「Libradoma™」を活用することにより、がん・関節リウマチ・感染症などに対する抗体医薬の創出に取り組んでいます。また、スウェーデンのバイオアークテック・ニューロサイエンス社との提携によるアルツハイマー病に対する免疫療法の研究や、日本でアボット ジャパンとヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体「ヒュミラ®」の開発・販売を進めるなど、抗体医薬を通して患者様とご家族の皆様のQOL向上に貢献することを目指しています。

5.アボット社について
 米国イリノイ州シカゴに本拠を置くアボットは、広範囲のヘルスケアに基盤を置く世界的規模の会社であり、グループ総従業員数90,000人を擁し、世界130カ国で営業活動を行っています。その事業内容は医療用医薬品、栄養剤、医療機器、診断薬、診断機器の分野における研究・開発、製造、マーケティングそして販売と多岐にわたっています。日本国内では、従業員 約2,500人が医療用医薬品、栄養剤、医療機器、診断薬、診断機器、ビジョンケア製品の製造開発、ならびに販売とマーケティングに従事しており、東京、福井、千葉に拠点を置いています。アボット ジャパンのプレスリリースは、www.abbott.co.jp、アボット本社のプレスリリースは、www.abbott.comをご参照ください

6.アボットの免疫分野への取り組み
 アボットは、免疫疾患に対する新規治療薬の創薬と開発に力を注いでおります。1989年に創設したアボット生物科学研究所(米国マサチューセッツ州ウースター)では、自己免疫疾患の新規治療法の開発に向け、世界最高レベルの創薬活動と基礎研究を行っています。
 「ヒュミラ®」(海外製品名:HUMIRA®)に関する詳細や製品情報については、http://www.e-humira.jp/ もしくはwww.HUMIRA.comをご覧ください。
以上