FDAが肥満症治療剤lorcaserinの新薬承認申請に関して審査完了報告通知を発行

エーザイ株式会社(本社:東京都、社長:内藤晴夫、以下 エーザイ)は、アリーナ・ファーマシューティカルズ・インク (Arena Pharmaceuticals, Inc. 本社:米国カリフォルニア州、社長:ジャック・リーフ、以下 アリーナ社) が米国で申請中の肥満症治療剤lorcaserin(一般名)の新薬承認申請(New Drug Application、以下 NDA)に関して、米国食品医薬品局(FDA)が審査完了報告通知(Complete Response Letter) を発行した、と発表しました。

本剤は、米国子会社であるエーザイ・インクが、アリーナ社のスイス子会社アリーナ・ファーマシューティカルズGmbH と、米国における独占的販売供給契約を締結したものです。肥満症の患者様(BMI≧30)、または1つ以上の合併症を有する過体重の患者様(BMI≧27)の、体重減少を含む肥満症治療をめざす、アリーナ社が創製・開発した新規化合物です。

審査完了報告通知でFDAは非臨床と臨床に関する指摘をしています。非臨床については、安全性すなわち、ラットのがん原性試験に係る事項の明確化、臨床面では、現在進行中のBLOOM-DM (Behavioral modification and Lorcaserin for Overweight and Obesity Management in Diabetes Mellitus) 試験の最終報告の提出をアリーナ社に求めています。

本件はアリーナ社とエーザイにとって本剤のFDA承認に向けた重要なステップとなります。アリーナ社はFDAと話し合いをもって、承認へのプロセスとタイムラインを明確化するようにします。

アリーナ社とエーザイは、肥満症治療剤を求める患者様に新たな治療選択肢を提供するように全力を尽しています。両社は、審査完了報告通知に掲載されている指摘事項についてFDAとの協議のもと対処してまいります。

FDAの医薬品評価研究センター(Center of Drug Evaluation and Research)より発行される審査完了報告通知は、NDAの審査期間が終了した時点で、承認を与えるに至らない場合に発行されます。

以上

[参考資料として、lorcaserin NDA、lorcaserin、BLOOM-DM試験について、を添付しています]

<参考資料>

1.lorcaserin NDA (New Drug Application) について

本剤のNDAは、8,576名の患者様を含む18の臨床試験のlorcaserin開発プログラムのデータパッケージ、主要な臨床第Ⅲ相プログラムBLOOM(Behavioral modification and Lorcaserin for Overweight and Obesity Management)試験と、BLOSSOM(Behavioral modification and LOrcaserin Second Study for Obesity Management)試験7,200名の患者様に2年間投与したデータに基づいています。

2.lorcaserinについて

lorcaserinは選択的なセロトニン2C(5-HT2C)受容体アゴニストといわれ、セロトニン2C受容体は、食欲や代謝を司る分野である視床下部を含めた脳に発現されます。アリーナ社は米国およびその管轄区域において、特許期間延長や独占権を考慮に入れず2023年まで可能性のある、lorcaserinをクレームする特許を出願しています。

3.BLOOM-DM試験について

BLOOM-DM (Behavioral modification and Lorcaserin for Overweight and Obesity Management in Diabetes Mellitus) 試験は、2型糖尿病を有する肥満症・過体重患者様において、lorcaserinの体重減少を検討している試験です。この試験の最終結果は2010年中に得られる予定です。

  • Arena Pharmaceuticals®及びArena®は、アリーナ・ファーマシューティカルズの登録商標です。