アルツハイマー型認知症治療剤「アリセプト®23mg 徐放製剤」の米国での承認申請

エーザイ株式会社(本社:東京都、社長:内藤晴夫)の米国子会社であるエーザイ・インク(本社:ニュージャージー州、会長:清水初)は、同社が提出したアルツハイマー型認知症治療剤「アリセプト®23mg 徐放製剤」(一般名:ドネペジル塩酸塩)の新薬承認申請がこのたび米国食品医薬品局(FDA)に受理されたと発表しました。

高用量製剤である「アリセプト®23mg 徐放製剤」は、現製剤(「アリセプト®10mg錠」)にまさる有用性を実現することをめざし、依然としてアンメットメディカルニーズが高い、中等度および高度アルツハイマー型認知症(AD)の患者様の治療に対する選択肢を広げるために、開発を進めてきました。今回の申請は、現製剤を対象として欧米を中心にグローバルに実施した、第3相試験(二重盲検比較試験)をベースに行いました。

「アリセプト®」は当社が独自に合成したアセチルコリンエステラーゼ阻害剤です。神経伝達物質のアセチルコリンを分解する酵素であるアセチルコリンエステラーゼを阻害することにより、脳内アセチルコリン量を増加させ、ADにおける認知症症状の進行を抑制します。「アリセプト®」は、軽度および中等度のAD治療剤として、現在世界90カ国以上で承認されています。米国、日本、カナダ、中南米やアジアの一部の国などでは、高度ADにも承認されています。

現在、米国におけるAD患者数は約530万人と推定されています。ADは認知症をきたす疾患の中で最もよく見られる疾患で、脳の神経細胞が減少し、脳が萎縮して認知機能低下や人格の変化が起こります。ADが患者様だけでなく、そのご家族や介護者、さらに社会に与える影響は非常に大きいものがあります。

今回の申請により、当社は高用量製剤である「アリセプト®23mg 徐放製剤」という新たな選択肢を中等度および高度ADの患者様ならびに医療従事者の方に提供することをめざします。当社は今後も引き続き、新しい剤形だけでなく新たなAD治療薬の開発に取り組むとともに、疾患啓発や患者様とそのご家族に対するサポートも積極的に行い、総合的にAD患者様のアンメット・ニーズの充足とベネフィットの向上に、より一層貢献してまいります。

以上