日本におけるdenileukin diftitoxに関するライセンス・共同開発契約を締結

エーザイ株式会社
株式会社TSD Japan

エーザイ株式会社(本社:東京都、社長:内藤晴夫、以下「エーザイ」)と株式会社TSD Japan(本社:大阪府、社長:阪下喜治、以下「TSD」)は、denileukin diftitox(一般名)に関して、このたび日本におけるライセンス・共同開発契約を締結しました。

今回の契約により、エーザイはTSDに対し、日本における本剤の独占的共同開発権を供与します。製造販売承認取得後はエーザイが本剤を日本において独占的に販売する権利を保有します。

denileukin diftitox は、CD25(インターロイキン2受容体の構成要素)陽性の皮膚T細胞リンパ腫(CTCL: Cutaneous T-Cell Lymphoma)を適応とする静脈内注射用製剤です。米国においては、FDA(米国食品医薬品局)の規定であるサブパートEに基づき、1999年2月に生物学的製剤として迅速承認を取得しました。それ以来臨床の場で使用されており、2008年10月には迅速承認から完全承認に切り替わりました。米国ではオーファンドラッグにも指定されており、「ONTAK®」の製品名で現在、エーザイの米国子会社が販売しています。

CTCLはさまざまな病型を持つ皮膚原発性の非ホジキンリンパ腫です。T細胞(免疫機構に関与するリンパ球の1つ)の一部ががん化し、皮膚病変が起こります。また、疼痛や掻痒感などによって患者様のQOLは低下します。一般的には悪性度の低いリンパ腫ですが、緩徐に進行し、数年から十数年かけて腫瘍期へと進展します。腫瘍期に移行すると悪性度が高くなり、リンパ節や内臓に浸潤が見られ予後不良となります。これまで確立した治療法はなく、現在なお治療が困難な疾患です。

エーザイとTSDは、未だ満たされていない医療ニーズに応えるべく緊密に協力し、1日も早く本剤を新たな治療オプションとして日本のCTCL患者様ならびに医療関係者にお届けできるよう、開発を進めてまいります。

以上

[参考資料として製品、疾患およびTSD Japanの概要を添付しております]

本件に関する問い合わせ先

<参考資料>

■「ONTAK®」の製品概要(米国)

※左右にスクロールできます

製品名 ONTAK®
一般名 denileukin diftitox
剤形 注射剤
効能・効果 CD25(インターロイキン2受容体の構成要素)陽性の持続性もしくは再発性皮膚T細胞リンパ腫
用法・用量 1日量9mcg/kgもしくは18mcg/kg を30分~60分かけて点滴静注する。5日間連続投与し、16日間休薬する。これを1クールとして、8クール投与を繰り返す。

■皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)について

CTCLはさまざまな病型を持つ皮膚原発性の非ホジキンリンパ腫です。代表的なものとして、菌状息肉症(MF: Mycosis fungoides)とセザリー症候群(Sézary syndrome)が挙げられます。一般的には悪性度の低いリンパ腫ですが、緩徐に進行し、数年から十数年かけて腫瘍期へと進展します。腫瘍期(TNM分類:ⅡB~ⅣB期)に移行すると悪性度が高くなり、リンパ節や内臓に浸潤が見られ予後不良となります。これまで確立した治療法はなく、現在なお治療が困難な疾患です。

■株式会社TSD Japanについて

株式会社TSD Japanは、日本市場にはまだない、患者様にとって切望される医薬品、特に癌および難治性疾患とその補助療法を開発し、少しでも早く医療機関や患者様のお手元にお届けするために、2005年に設立されました。

すぐれた医薬品開発のために、日本国内の製薬企業と国内外の創薬ベンチャーを結び合わせるパートナリングのノウハウと、臨床開発機能を組み合わせたユニークなビジネスを展開しています。また、開発戦略の立案、非臨床試験及び臨床試験を通した支援を行い、パートナリング及び臨床試験受託に結びつける開発コンサルティング事業も展開しております。

当社は、2009年1月、ジェノミディア社より前立腺がんを対象としてHVJ-Eを導入、ジェノミディア社と共同で非臨床試験を行っており、2009年8月31日に当プロジェクトが平成21年度戦略的基盤技術高度化支援事業(経済産業省)に採択されました。

株式会社TSD Japanの詳細情報は、同社のウェブサイト
http://www.tsd-japan.co.jp をご覧ください。