ここから本文です

ニュースリリース

(2009年7月28日) 印刷用(PDF 33KB)

英国Biocompatibles社と血管塞栓用ビーズに関するライセンス契約を締結


 エーザイ株式会社(本社:東京都、社長:内藤晴夫)は、Biocompatibles International plc(本社:英国ファーナム、社長:クリスピン・サイモン、以下 「Biocompatibles社」)と、血管塞栓用ビーズに関する、日本における開発と販売に係るライセンス契約を締結しました。
 本契約により、当社は、Biocompatibles社が開発したポリビニルアルコールハイドロジェルマイクロスフィア(以下、本材)とその関連製品について、日本での独占的開発および販売権を獲得します。

 本材は、Biocompatibles社が開発した、塞栓物質に薬剤(抗がん剤)を充填・徐放することを容易にした薬剤溶出性ビーズです。ビーズの粒子が微細で均一な球状となっているため、塞栓対象血管に最適な粒子径を選択することができます。欧米を中心に世界40カ国以上で販売されており、主に肝細胞がんなどの多血性悪性腫瘍における血管塞栓療法施行時の血管塞栓材として用いられています。日本ではまだ導入されていませんが、2009年1月に開催された厚生労働省の「第10回医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会」において、本材の早期導入を進めることが推奨されています。

 日本における肝細胞がんの患者総数は年間約67,000人、発症数は年間約40,000人と推定されています。肝細胞がんの患者様の約30%に対して、治療法の1つとして肝動脈化学塞栓療法(Transcatheter Arterial Chemoembolisation: TACE)が施行されています。

 当社はがん領域を最重点領域の1つとして取り組んでいます。今回の契約により、当社は、多血性悪性腫瘍の治療に貢献できるよう、日本での早期導入が切望されている本材の開発を進めてまいります。

以上

[参考資料として用語解説を添付しております]


<参考資料>


多血性悪性腫瘍について

 多血性悪性腫瘍とは腫瘍組織に発達した血管網を介して栄養供給を受けている悪性腫瘍の総称で、一般的に肝癌、腎癌、骨軟部腫瘍などの腫瘍疾患を指しています。

血管塞栓療法について

 血管造影下で、カテーテルを介して塞栓物質を塞栓対象血管に注入し、血管内腔を塞栓する手技で、外科手術に比べて侵襲度が低いのが特徴です。近年、多血性腫瘍や脳動静脈奇形に対する治療法の選択肢の一つとして普及しています。
 多血性腫瘍では、腫瘍組織への栄養供給血管を塞栓することによって腫瘍組織への栄養供給や血流を遮断し、腫瘍組織を壊死させることを目的としています。特に肝細胞がんの治療では、抗がん剤を併用しない肝動脈塞栓療法(TAE)と抗がん剤を併用する肝動脈化学塞栓療法(TACE)という2つの療法がありますが、現在、TACEの方が主流となっています。

ポリビニルアルコールハイドロジェルマイクロスフィア

  Biocompatibles社が開発した、塞栓物質に薬剤(抗がん剤)を充填・徐放することを容易にした薬剤溶出性ビーズです。ビーズの粒子が微細で均一な球状となっているため、塞栓対象血管に最適な粒子径を選択することができます。現在、欧米を中心に世界40カ国以上で承認されており(欧州での製品名:「DC Bead™」、米国での製品名「LC Bead™」)、主に肝細胞がんなどの多血性悪性腫瘍における血管塞栓療法施行時の血管塞栓材として用いられています。