肝臓疾患用剤・アレルギー用薬「強力ネオミノファーゲンシー®」「グリチロン®錠」のライセンス契約をミノファーゲン製薬と締結

エーザイ株式会社(本社:東京都、社長:内藤晴夫)は株式会社ミノファーゲン製薬(本社:東京都、社長:宇都宮恭三)と、12月18日、肝臓疾患用剤・アレルギー用薬「強力ネオミノファーゲンシー®」および「グリチロン®錠」両製品に関するライセンス契約を締結しました。

当社は、本契約により、国内およびユーロアジア地域の未発売国*1における両製品の独占的な開発・販売権、ならびに中国を含むユーロアジア地域の既販売国*2における独占的な販売権にかかる優先交渉権を取得しました。中国においては、現在有効であるミノファーゲン製薬と現地の販売会社との契約終了を条件に、両製品の独占的販売権を取得しており、販売移管時期は2009年4月1日を予定しています。また、国内での販売移管時期は、「強力ネオミノファーゲンシー®」が2008年4月1日、「グリチロン®錠」が2008年10月1日を予定しています。

中国においては、約1億7千万人のウイルス性肝炎の持続感染者が存在すると推定されています。中国では、ウイルス性肝炎の7割以上がB型肝炎であり、その治療にはインターフェロンを含む抗ウイルス療法、免疫療法または肝庇護療法が行われています。当社は、中国においてブグァン社(韓国)から導入した抗ウイルス剤であるB型肝炎治療剤「クレブジン」の開発を進めており、今回の両製品導入によって、肝炎治療における製品ラインアップを拡充し、中国でのさらなる患者様貢献をめざします。

日本においては、ウイルス性肝炎の持続感染者数が約280万人と推定されています。その内、半数以上を占めるのがC型慢性肝炎です。国内では、「強力ネオミノファーゲンシー®」は1948年から、「グリチロン®錠」は1957年から販売されており、特にC型慢性肝炎においてC型ウイルスの排除が困難な場合に、肝機能の改善を目的として広く使用されています。

なお、欧州で実施された「強力ネオミノファーゲンシー®」に関する臨床試験では、インターフェロン無効例のC型慢性肝炎に対し肝機能改善効果が認められており、2007年11月に開催された米国肝臓病学会で発表されました。

当社では肝臓疾患領域において、1960年代より国内の専門医の協力を得て、医学的な研究を継続しています。この研究の成果から、肝細胞がんの補助診断薬「PIVKA-Ⅱシリーズ」を1989年に発売し、本領域に取り組んでいます。また、国内においては、重点領域の1つとして消化器領域に注力しており、プロトンポンプ阻害型抗潰瘍剤「パリエット®」や胃炎・胃潰瘍治療剤「セルベックス®」などの医療用医薬品を有しています。

当社は、本契約により、国内と中国を含むアジア諸国において、強みである消化器領域に新たな肝臓疾患領域の製品ラインアップを加えることで、より一層、患者様の疾病管理と治療に貢献し、ベネフィット向上をめざします。

  • *1
    ユーロアジア地域の未発売国:
    シンガポール、フィリピン、香港、マレーシア、タイ、ベトナム、ミャンマー、カンボジア、ラオス、ブルネイ、オーストラリア、中近東諸国(ヨルダン、サウジアラビア、クエート、UAE、イエメン)、ロシア
  • *2
    ユーロアジア地域の既販売国:
    中国、韓国、台湾、インドネシア、インド、モンゴル、ウズベキスタン、エジプト

以上

[参考資料として製品概要を添付しております]

<参考資料>

【製品概要】

※左右にスクロールできます

製品名: 強力ネオミノファーゲンシー®静注20mL
強力ネオミノファーゲンシー®静注 5mL
強力ネオミノファーゲンシー®P20mL(プラスチックアンプル)
成分: グリチルリチン酸モノアンモニウム、日局グリシン、L-システイン塩酸塩(配合剤)
適応症: 湿疹・皮膚炎、蕁麻疹、皮膚そうよう 症、薬疹・中毒疹、口内炎、小児ストロフルス、フリクテン、慢性肝疾患における肝機能異常の改善
用法・用量: 通常、成人には1日1回 5~20mLを静脈内に注射し、年齢、症状により適宜増減する。慢性肝疾患に対しては1日1回 40~60mLを静脈内に注射または点滴静注し、年齢、症状により適宜増減する。
なお、増量する場合は1日100mLを限度とする。

※左右にスクロールできます

製品名: グリチロン®錠
成分: グリチルリチン酸モノアンモニウム、日局グリシン、DL-メチオニン(配合剤)
適応症: 慢性肝疾患における肝機能異常の改善、湿疹・皮膚炎、小児ストロフルス、円形脱毛症、口内炎
用法・用量: 通常、成人には1回2~3錠、小児には1錠を1日3回食後経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。