プロトンポンプ阻害薬(ランソプラゾール、オメプラゾール、ラベプラゾールナトリウム)ヘリコバクター・ピロリの二次除菌療法に係る用法・用量の追加承認を取得

武田薬品工業株式会社
アストラゼネカ株式会社
三菱ウェルファーマ株式会社
エーザイ株式会社
(本資料は上記4社による共同リリースです。)

武田薬品工業株式会社(本社:大阪府、社長:長谷川閑史)、アストラゼネカ株式会社(本社:大阪府、社長:加藤益弘)、三菱ウェルファーマ株式会社(本社:大阪府、社長:小峰健嗣)、エーザイ株式会社(本社:東京都、社長:内藤晴夫)は、このたび、各社が日本において製造・販売しているプロトンポンプ阻害薬(3成分・4ブランド)について、アモキシシリン(一般名)およびメトロニダゾール(一般名)との併用による胃・十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリの二次除菌療法に係る用法・用量の追加承認を取得しました。

承認を取得したプロトンポンプ阻害薬は、「タケプロン®」(一般名:ランソプラゾール/武田薬品工業)、「オメプラール®」(一般名:オメプラゾール/アストラゼネカ)、「オメプラゾン®」(一般名:オメプラゾール/三菱ウェルファーマ)、「パリエット®」(一般名:ラベプラゾールナトリウム/エーザイ)です。

ヘリコバクター・ピロリは、ヒトの胃内に存在する細菌のひとつであり、消化性潰瘍の発症に深く関与していることが明らかになっています。ヘリコバクター・ピロリの除菌療法は、消化性潰瘍の再発予防に有効であり、除菌後には消化性潰瘍の再発率が著明に低下することから、患者様にとって大きなメリットがあります。

現在、日本ではヘリコバクター・ピロリ除菌療法として、プロトンポンプ阻害薬とアモキシシリンおよびクラリスロマイシンの3剤併用療法が承認されています。

しかしながら、上記3剤併用による除菌療法(一次除菌療法)において、10~20%程度で除菌の不成功例が存在するといわれています。一次除菌療法で除菌が不成功であった場合、同じ3剤併用による除菌療法を繰り返しても除菌効果が得られにくいなど、その対処が課題となっていました。

一次除菌療法が不成功の場合は、クラリスロマイシンをメトロニダゾールに変更した二次除菌療法が有効であることが国内外における臨床成績で示されています。

4社では、今回の追加承認の取得により、消化性潰瘍の再発率をさらに低下させ、我が国における消化性潰瘍の治療並びに患者様のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上に大きく貢献するものと期待しています。

なお、承認事項の一部変更承認を取得した製品名等は下記の通りです。

1. プロトンポンプ阻害薬 ※( )内は一般名、< >内は製造販売会社

  • タケプロン®カプセル15、30、同OD錠15、30(ランソプラゾール)<武田薬品工業株式会社>
  • オメプラール®錠10、20(オメプラゾール)<アストラゼネカ株式会社>
  • オメプラゾン®錠10mg、20mg(オメプラゾール)<三菱ウェルファーマ株式会社>
  • パリエット®錠10mg(ラベプラゾールナトリウム)<エーザイ株式会社>

2. アモキシシリン製剤 ※< >内は製造販売会社

  • パセトシン®カプセル、同錠250 <協和発酵工業株式会社(輸入元)>
  • サワシリン®カプセル、同錠250 <アステラス製薬株式会社>
  • アモリン®カプセル125、250、同細粒10% <武田薬品工業株式会社>
  • アモペニキシン®カプセル250 <ニプロファーマ株式会社>

3. メトロニダゾール製剤 ※< >内は製造販売会社

  • フラジール®内服錠 <塩野義製薬株式会社>
  • アスゾール錠 <富士製薬工業株式会社>

以上

[参考資料として、申請の経緯、追加承認された用法・用量の概要を添付しています]

本件に関する問合せ先

  • 武田薬品工業株式会社

    コーポレート・コミュニケーション部

    03-3278-2037

  • アストラゼネカ株式会社

    コーポレートマネジメント統括部 広報部

    06-6453-8011

  • 三菱ウェルファーマ株式会社

    広報・IR部

    06-6201-1696

  • エーザイ株式会社

    コーポレートコミュニケーション部

    03-3817-5120

<参考資料>

1.承認までの経緯

今回の用法・用量の追加は、平成17年7月に日本ヘリコバクター学会から厚生労働省に対してヘリコバクター・ピロリの二次除菌療法の保険適用に係る要望書が提出されたことを受け、関連する会社(9社)が、平成11年2月1日付 研第4号、医薬審第104号、厚生省健康政策局研究開発振興課長、厚生省医薬安全局審査管理課長通知「適応外使用に係る医療用医薬品の取扱いについて」に則り、海外における承認状況及び国内外の公表文献等を科学的根拠として、臨床試験を実施することなく共同で申請を行い、当該用法・用量は医学薬学上公知であるとして承認されたことによるものです。

2.プロトンポンプ阻害薬の各製品において追加された用法・用量の概要

  • 下線部分が今回追加された部分です。

1)タケプロン®カプセル15、30、同OD錠15、30

(一般名:ランソプラゾール、製造販売:武田薬品工業株式会社)

【用法・用量】(ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助に関する部分を抜粋)

○胃潰瘍又は十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリの除菌の補助

通常、成人にはランソプラゾールとして1回30mg、アモキシシリンとして1回750mg(力価)及びクラリスロマイシンとして1回200mg(力価)の3剤を同時に1日2回、7日間経口投与する。
なお、クラリスロマイシンは、必要に応じて適宜増量することができる。ただし、1回400mg(力価)1日2回を上限とする。
プロトンポンプインヒビター、アモキシシリン及びクラリスロマイシンの3剤投与によるヘリコバクター・ピロリの除菌治療が不成功の場合は、これに代わる治療として、通常、成人にはランソプラゾールとして1回30mg、アモキシシリンとして1回750mg(力価)及びメトロニダゾールとして1回250mgの3剤を同時に1日2回、7日間経口投与する。

2)オメプラール®錠10、20

(一般名:オメプラゾール、製造販売:アストラゼネカ株式会社)

オメプラゾン®錠10mg、20mg

(一般名:オメプラゾール、製造販売:三菱ウェルファーマ株式会社)

【用法・用量】(ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助に関する部分を抜粋)

○胃潰瘍又は十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリの除菌の補助

通常、成人にはオメプラゾールとして1回20mg、アモキシシリンとして1回750mg(力価)及びクラリスロマイシンとして1回200mg(力価)の3剤を同時に1日2回、7日間経口投与する。なお、クラリスロマイシンは、必要に応じて適宜増量することができる。ただし、1回400mg(力価)1日2回を上限とする。
プロトンポンプインヒビター、アモキシシリン及びクラリスロマイシンの3剤投与によるヘリコバクター・ピロリの除菌治療が不成功の場合は、これに代わる治療として、通常、成人にはオメプラゾールとして1回20mg、アモキシシリンとして1回750mg(力価)及びメトロニダゾールとして1回250mgの3剤を同時に1日2回、7日間経口投与する。

3)パリエット®錠10mg

(一般名:ラベプラゾールナトリウム、製造販売:エーザイ株式会社)

【用法・用量】(ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助に関する部分を抜粋)

○胃潰瘍又は十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリの除菌の補助

通常、成人にはラベプラゾールナトリウムとして1回10mg、アモキシシリンとして1回750mg(力価)及びクラリスロマイシンとして1回200mg(力価)の3剤を同時に1日2回、7日間経口投与する。
なお、クラリスロマイシンは、必要に応じて適宜増量することができる。ただし、1回400mg(力価)1日2回を上限とする。
プロトンポンプインヒビター、アモキシシリン及びクラリスロマイシンの3剤投与によるヘリコバクター・ピロリの除菌治療が不成功の場合は、これに代わる治療として、通常、成人にはラベプラゾールナトリウムとして1回10mg、アモキシシリンとして1回750mg(力価)及びメトロニダゾールとして1回250mgの3剤を同時に1日2回、7日間経口投与する。

以上