抗てんかん剤「イノベロン」、ドイツなどで発売を開始

エーザイ株式会社(本社:東京都、社長:内藤晴夫)のドイツ医薬品販売子会社エーザイ・ゲーエムベーハー(本社:フランクフルト、社長:アンドレアス・ヴィーガント)はこのたび、抗てんかん剤「イノベロン」(一般名:ルフィナマイド)の販売をドイツで開始しました。本剤はすでにデンマーク、フィンランド、スウェーデン、ノルウェーでも販売を開始しており、今後、他の欧州諸国においても順次発売していきます。

本剤は、幅広い抗けいれん作用を有する新規構造のトリアゾール誘導体で、小児の早期から発症する重篤なてんかんであるレノックス・ガストー症候群(LGS:Lennox-Gastaut Syndrome)の併用療法として2007年1月、欧州委員会(EC:European Commission)より承認を取得しています。なお、本剤は欧州においてLGSに特化して承認を取得した初の治療薬です。

現在、欧州におけるLGSの患者数は約11,000人といわれています。当社は「イノベロン」の発売により、欧州において、現在発売中のアルツハイマー型痴呆(認知症)治療剤「アリセプト®」、抗てんかん剤「ゾネグラン」とともに、神経領域の製品ラインの充実を図り、より一層、患者様の多様なニーズの充足とベネフィット向上に貢献してまいります。

以上

[参考資料として、製品概要およびLGSの解説を添付しております]

<参考資料>

1.イノベロンについて

「イノベロン」は、ノバルティス社が創出した、幅広い抗けいれん作用を有する新規構造を持つ抗てんかん剤です。当社は、2004年2月にノバルティス社と本剤に関するグローバルなライセンス契約を締結しています。

なお本剤は、小児の早期から発症する重篤なてんかんであるLGSに有効性を示すことから、2004年10月、欧州にて、LGSのオーファン指定の承認を取得しております。

2.製品概要

  • 1)製品名
    :イノベロン(英文正式名称:Inovelon®)
  • 2)一般名
    :ルフィナマイド(英文表記:rufinamide)
  • 3)剤形
    :100mg錠、200mg錠、400mg錠
  • 4)適応症
    :レノックス・ガストー症候群(4才以上)の併用療法

3.レノックス・ガストー症候群(LGS)とは

全般てんかんの重篤な状態で、脳出血、脳炎、脳の発育不全、脳の代謝異常など種々の脳障害により、小児の早期から発症します。発育遅延、行動障害、および持続して筋肉が収縮する強直(きょうちょく)発作を主体とする一方、複数の発作型を示すのもレノックス・ガストー症候群の特徴です。例えば、一部の筋肉が短時間不随意に収縮するミオクロニー発作や、短時間意識が消失する欠神発作などがあります。薬物療法でコントロールが難しい場合は、まれに外科手術が行なわれることがあります。

現在、欧州(オーストリア、デンマーク、フィンランド、 フランス、ドイツ、イタリア、アイルランド、スペイン、スウェーデンおよびイギリス)におけるLGSの患者数は約11,000人と言われていますが、完治することはきわめて難しいとされており、新薬の開発が望まれている疾患のひとつです。