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日本の感染症・病気

病原体の存在が知られていなかった時代には、人から人へと次々とうつる感染症は疫病の神や悪鬼の仕業と考えられていました。まじないや民間療法にすがる人々に対して、医師は医学書をひもとき、あるいは実際に治療を行って経験を重ね、よい治療法がないかと探し求めました。

展示風景

  • 日本の感染症
  • 日本の病気
  • 昔の病名

病気と薬の番付表

江戸時代には、病気と薬の番付表が製作された。「病薬道戯競」には「初編」と「二編」があり、向かって左側に病気、右側に薬の名前が並べられている。「初編」の病気の筆頭には「疱瘡(ほうそう=天然痘)」が、また「二編」の筆頭には「胎毒(たいどく=子どもが生まれつき持つ毒と考えられていたもの)」が挙げられており、どちらの病気ともに恐れられていた。

「病薬道戯競」初編(左)と二編(右)

初編 二編
  当時の病名現在の病名   当時の病名現在の病名
大関 疱瘡(ほうそう)天然痘 大関 胎毒(たいどく)生まれつきの毒
関脇 五疳(ごかん)疳の虫 関脇 卒中(そっちゅう)脳血管疾患
小結 悪疾(あくしつ)治りにくい病気 小結 風邪(かぜ)かぜ
前頭 中風(ちゅうぶう)脳血管疾患 前頭 禹歯(うし)虫歯
癪(しゃく)胃痛など 癲癇(てんかん)神経疾患の一種
逆上(のぼせ)のぼせ 起利(おこり=瘧)マラリア
黄疸(おうだん)黄疸 眩暈(めまい)めまい
咳(せき) 骨瘡(ほねかさ)梅毒の一症状
乱心(らんしん)精神疾患 水腫(すいしゅ)むくみなど
よう疔(ようちょう)できもの 血の道婦人病全般
病目(やむめ)眼病全般 両湿(りょうしつ)梅毒
便毒(べんどく)梅毒の一症状 寝冷(ねびえ)ねびえ
呑過(のみすぎ)酒の飲みすぎ 食傷(しょくしょう)食中毒など
鼻風(はなかぜ)かぜ 霍乱(かくらん)急性胃炎など
白雲(しらくも)皮膚病の一種 魚の目(うおのめ)皮膚病の一種
吐逆(とぎゃく)吐く症状全般 足、風疾(ふうしつ)中風の後遺症
雁瘡(がんそう)慢性湿疹 落馬、腰打落馬によるケガ
五痔(ごじ) 健忘(けんぼう)物忘れ
溜飲(りゅういん)慢性胃炎など 腹痛腹の痛み
根布(ねぶと)膿のあるでき物 大便便通不順
淋病(りんびょう)淋病 下里腹(くだりはら)下痢
脹満(ちょうまん)腹膜炎など 嘔吐(おうと)吐く症状全般
消渇(しょうかち)糖尿病 大食(たいしょく)胃もたれなど
慢驚風(まんきょうふう)小児の神経過敏 盗汗(ねあせ)寝汗
早打肩(はやうちかた)心筋梗塞 麻痺(まひ)マヒ
寄生虫症など 痰(たん)
陀々(だだ)小児の神経過敏 頭痛頭痛
渋利腹(しぶりはら)下痢の一種 癇症(かんしょう)怒りやすい気質
あがきれアカギレか 毛ぎれ性行為中の毛切れ
ひび手足のひび 雁瘡(がんがさ)慢性湿疹
とり目夜盲症 あせもあせも
人面瘡(じんめんそう)人面状のできもの わきがわきが
うるしかぶれ漆かぶれ 水虫水虫
物もらい眼病の一種 しもやけしもやけ
しゃくりしゃっくり すはりたこ皮膚が固くなる
はれ病腫れ とげトゲ
あかがさ皮膚病の一種 踏み抜き釘など踏むケガ
(中央) 寸白(すばく)寄生虫症など (中央) 脚気(かっけ)ビタミンB1欠乏症
労症(ふさぎ)気がふさぐ 金瘡梅毒の一症状
傷寒(しょうかん)急性熱性疾患 腎(じん)を損じる性欲減退

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病名の入っている慣用表現やことわざ

  • 癪(しゃく)にさわる
    神経過敏で怒りやすいこと。
  • ふさぎの虫
    (体内の虫のせいにして)気分が晴れないこと。
  • 瘧(おこり)が落ちたように
    ある物事に夢中になっていた状態から覚めること。
  • 食傷(しょくしょう)気味
    同じものに接してうんざりすること。
    食べ飽きること。
  • 虫の居所が悪い
    ちょっとしたことが気にさわり、怒りっぽいこと。
  • 腹の虫がおさまらない
    (感情を虫にたとえて)腹立たしくて我慢できないこと。
  • 虫酸(むしず)が走る
    吐き気を催すほど不快であること。
  • 鬼の霍乱(かくらん)
    ふだんきわめて健康な人が、珍しく病気にかかること。
  • 溜飲(りゅういん)が下がる
    不平、不満、恨みなどが解消され、胸がすっとすること。

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