『都風俗化粧伝』は、それまでの化粧方法や装い方を体系化させたメイクとファッションの実用書。 色白に見せる方法や切れ長の目に見せる方法など、わかりやすい挿絵入りで化粧のテクニックを紹介している。 100年以上にわたって繰り返し出版されるほど普遍的内容も多く、当時の美意識が理解できるだけでなく、現代にも通じる情報がある。
都風俗化粧伝
鼻は顔の中でも中央にあるので、最も目につくものである。鼻筋の通っているのが望ましい。鼻低き人の鼻筋が通っているように見せるには、眉毛と目の中ほどより鼻の柱へ通して他より少し濃く塗り出し鼻の両脇へ向かって塗る。鼻筋が通って見えれば、低い鼻も高く見えるようになる。
帯は少し細く仕立てて、手足をあまり長く出さず、上の方で結ぶと、人並みの高さに見えるようになる。 背の低いのを隠そうとして、衣類を長く着て引きずって歩くのは、自らは長く見せようと思っていても、他よりもかえって背の低いのが目について見苦しいので、しゃんと歩くのが良いと書かれている。