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かしこく cleverly 〜教養を高め、知性を磨く妙薬〜

  • 日本最古の医書にみる美容と健康の秘訣
  • 江戸時代の美容読本にみる美容の秘訣

『医心方』は、平安時代の鍼博士・丹波康頼(912-995)が、永観2年(984)11月28日に朝廷(花山天皇)へ献上した全30巻から成る医学全書。日本における現存最古の医書である。
遣隋使・遣唐使たちが持ち帰った貴重な鍼灸医薬書・房中神仙書など約200種から役立つ知識を引用してまとめた書物である。
長い間、宮中に秘蔵されていたが、室町時代に御典医として丹波家と双璧をなした半井(なからい)(和気(わけ))家側に渡り、幕末まで内容が知られていなかった。

医心方

『医心方』にみる平安人の美容・健康術

◆皮膚の手入れ

巻4(第14-23)では毛髪、頭部、顔面の諸疾患や治療法を詳述。肌のトラブルも病気と同じように風邪(ふうじゃ)によるものとしている。風邪が皮膚にとどまって体液が停滞するために内臓が機能障害を起こし、その結果、肌荒れやシミやソバカスが生じるという説など、現代医学と通じる部分もある。ソバカス、アザ、ホクロ、肌の黒ずみ、ニキビ、ナマズ肌、そして傷や皮膚病の跡を消す工夫や簡単な治療が、身近な食べ物や植物などを使って行われていた。

◆毛髪の手入れ

巻4(第1-11)では、毛髪に対する願望、長い髪、光沢のある柔らかい髪、堅い髪など、現代人同様、求める髪はさまざまである。白髪を黒くしたり、黄ばんだ髪や脱毛、白禿、円形脱毛症、眉の脱毛治療など平安人も悩んでいる。髪に弾力や艶が出る方法など、現代でも通用する効果的な処方も記載されている。

◆体操や呼吸法

巻27では、「導引(どういん)」について述べ、体操や散歩、マッサージなど、身体を動かしたり刺激を与えることや体内に停滞している「気」を促して、新鮮な「気」を体内に送り込む効用などを記載している。

◆身体に良い食べ物

巻30では、美容に役立つ食べ物、胡麻(ごま)、大豆、酢、梅、牛乳など、それぞれが持っている性質とともに体内での働きを紹介している。

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