くすりの博物館
サイト内検索
もうひとつの学芸員室
人と薬のあゆみ 薬草に親しむ 内藤記念くすり博物館のご案内 もうひとつの学芸員室くすりの博物館トップページへ


遊ぼう!動かそう!中野コレクション
見てみて!くすり広告
パネルクイズ「資料でふりかえる鍼と灸」
やってみようツボ体操
薬と秤量によって毒にも薬にも
くすりの夜明け−近代の医薬ってどんなものだったんだろう?−
江戸に学ぶ からだと養生
綺麗の妙薬〜健やかな美と薬を求めて〜
病まざるものなし〜日本人を苦しめた感染症・病気 そして医家〜
江戸のくすりハンター 小野蘭山 −採薬を重視した本草学者がめざしたもの−
学芸員のちょっとコラム
館長のトリビア
くすりの夜明け 近代の医薬ってどんなものだったんだろう?

天然物からくすりを作る
古代より使われてきた生薬は、有効成分の含有量が一定せず、薬効が不安定だった。しかし、有効成分を取り出して必要量のみ投与できれば確実な 薬効が期待できる。有効成分の抽出は、体の機能の仕組みの究明とともに、治療方法の選択肢が広がった。
モルヒネ・サリチル酸 ジギトキシン・キニーネ
モルヒネ

メソポタミアの粘土板や古代エジプトのエーベルス・パピルスにも記述があるように、ケシが古くから鎮痛薬として用いられていた。

1世紀頃には、ローマ時代のディオスコリデスが、ケシからアヘンを採取する方法を記述した。アヘンは、少量では鎮痛・誘眠などの作用があるが、大量に服用すると昏睡状態に陥って死亡することも既に知られていた。

9世紀にはアラビアの医師らが、アヘン、マンドレーク、ヒヨスの液をしみこませた海綿を麻酔薬としたといわれている。

1806年、このアヘンから有効成分・モルヒネを純粋な結晶として単離したのは、ドイツの薬剤師・ゼルチュルナーである。彼は何度か実験を重ね、有効成分の研究を進めた。

サリチル酸

ヨーロッパではギリシア時代から痛風には、ヤナギの一種(Salix alba セイヨウシロヤナギ)の樹皮の煎じ汁を罨法剤(あんぽうざい)として用いてきた。

リウマチ、神経痛、歯痛の痛み止めとしても使用してきた。

1763年にイギリスのストーンがこのヤナギの抽出物を解熱剤に用い、1830年にルルーがサリシンを抽出、1838年にはピリアがサリシンを分解してサリチル酸を得た。

同じ頃、ドイツのレーウィッヒがSpitaea ulmaria(セイヨウナツユキソウ)の花の揮発油から新しい酸を得て、スピール酸と呼んだ。1853年にコルベによりサリチル酸とスピール酸が同一物質であると確認された。

当初、サリチル酸は酒の防腐剤として用いられ、やがて鎮痛・解熱剤として利用されるようになった。

1860年にゲルハルトがアセチルサリチル酸を合成し、ホフマンは1897年にそれを純粋な形で合成することに成功した。 1899年にこれをアスピリンと命名し、販売するに至った。

※罨法剤= 炎症や充血を取り除くため、患部を温めたり冷やしたりするのに用いる薬


看板「医薬用阿片販売所」
看板「医薬用阿片販売所」

セイヨウナツユキソウ
セイヨウナツユキソウ

サリチル酸・アスピリン(薬品2点)
サリチル酸・アスピリン(薬品2点)

1.手当てとくすりのあゆみ 3.予防接種・麻酔・消毒
くすりの夜明けトップへ
ご意見ご感想著作権について Copyright(C), Eisai Co., Ltd. All rights reserved.
人体解剖模型 詳細を見る 回転瓶架 詳細を見る 体温計(木製ケース入り) 詳細を見る 聴診器 詳細を見る 診療簿 詳細を見る