「第3回グローバルヘルス・アカデミー」に当社CEO内藤晴夫が登壇エーザイの価値の定量化への取り組みとインパクト市場への期待

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2023年4月27日掲載

2023年4月21日にメディア向けに開催された第3回グローバルヘルス・アカデミー「新たな企業価値の指標“インパクト”とグローバルヘルス ~G7 広島サミットへの新提言~」に当社CEOの内藤晴夫が登壇し、「エーザイの価値の定量化への取り組み」を紹介しました。本アカデミーは、当社も参画する「グローバルヘルスを応援するビジネスリーダー有志一同(以下、有志一同)」が主催しました。有志代表で、内閣官房 健康・医療戦略室の「インパクト投資とグローバルヘルス」に係る研究会座長を務めたシブサワ・アンド・カンバニー株式会社 代表取締役の渋澤健氏から当研究会の報告書に基づいた「新しい価値と社会の形“インパクト・エコノミー1”」についての講演が行われました。岸田首相の掲げる「新しい資本主義」ではリスク・リターンに加え「インパクト」という3つ目の軸が提唱されており、「インパクト投資」推進の必要性について話されました。日本におけるインパクト投資市場規模はまだ小さいため、今後の成長ポテンシャルは高く、グローバルヘルスの課題解決に向けて民間企業から新たな投資が増加すれば、グローバルサウスと呼ばれる新興国や途上国への支援が促進され、日本の経済成長につながる可能性についても期待を寄せました。本年5月に日本で開催されるG7広島サミットでは、SDGs達成年限である2030年に再びG7が日本で開催されることを意識し、グローバルヘルス分野の議題の1つとしてインパクト投資に関する議論がなされるべきとの提言を示しました。

その後、パネルディスカッションが行われ、「日本企業がリードするグローバルヘルスとインパクト」をテーマに、有志一同から内藤CEOを始め、ヤマハ発動機株式会社 代表取締役会長の渡部克明氏、渋澤健氏、ビル&メリンダ・ゲイツ財団 日本常駐代表の柏倉美保子氏が登壇し、それぞれの取り組みを紹介しました。

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内藤は、発言の中で、企業が社会的課題にパブリックと共に取り組む意義や、岸田政権の「新しい資本主義」においても従来のリスク・リターンに加えてインパクト(社会的課題への取り組み)が新しい企業評価尺度として求められていることに触れました。また、Ernst&Youngが発行した「コーポレートレポーティングでESGの信頼格差を解消するには」2を引用し、企業がサステナビリティをビジネスモデルに体系的、戦略的かつ厳密に組み込むことは投資家の期待であり、当社の考えとも同じであることを共有しました。エーザイの価値の定量化への取り組みでは、①従業員インパクト会計、②リンパ系フィラリア症治療薬による製品インパクト会計、③アルツハイマー病の新薬がもたらす社会的価値の3つの事例を紹介し、今後のインパクトに関する財務の考え方として、サステナブル活動をKPIとするローンやインパクト投資が広がりつつあるなか、今後インパクトを評価尺度とする市場区分形成への期待を述べました。

当社にとって、顧みられない熱帯病やマラリア制圧などの医薬品アクセス向上への取り組みは、CSRとしての活動ではなく、当社の企業理念である「ヒューマン・ヘルスケア(hhc)」に基づく長期的な企業価値創造と社会的インパクト創出をめざす活動です。引き続きグローバルパートナーとの連携を強化し、顧みられない熱帯病の感染リスクに晒されている人々や疾患に苦しんでいる人々の「健康憂慮の解消」と「医療較差の是正」に貢献してまいります。

1「インパクト・エコノミー」とは、 国内外の事業者並びに投資家が、「インパクト」を共通言語として、新たな事業創出や投資行動を行う、新しい経済社会のあり方を示すもの。(参照:令和5年3月「インパクト投資とグローバルヘルス」に係る研究会 最終報告書
2 https://www.ey.com/ja_jp/assurance/how-can-corporate-reporting-bridge-the-esg-trust-gap(2023年4月アクセス)

グローバルヘルスを応援するビジネスリーダー有志一同について
渋澤 健(シブサワ・アンド・カンパニー株式会社 代表取締役CEO)を代表とする、グローバルヘルス(保健医療分野、特に公衆衛生分野、感染症対策分野での支援及び事業)へ貢献する日本企業等の有志団体。製薬・医療機器をはじめとした保健医療分野のみならず、金融や商社、デジタル、サプライチェーン等多岐にわたる分野から構成され、大企業のみならず中小企業やスタートアップも含めた多様な企業の経営者が参画しており、当社からはCEOの内藤晴夫がメンバーとなっています。

有志一同は、政府も含めた多様なセクターが保有するプロダクト・技術を最適化することで、地球規模の課題を解決できる包括的なソリューションを提供できると考えており、そのために有志企業が同じビジョンの下に一丸となって、グローバルヘルス・アクションを推進していく予定です。有志一同は、今後4つの取り組みを検討しています。(有志企業すべてがこの取り組みに参加するとは限りません)

    1. WHOやGlobal Fund、Gaviワクチンアライアンス等の国際保健機関と連携する機会の創出及び強化を推進する専門的なスキームや活動体の検討
    2.  国際展示会でオールジャパンのパビリオン設置およびグローバルヘルス分野で貢献する日本製品の先進性と魅力の発信
    3. 社会性の高い製品のインパクトを数値化・可視化する「インパクト加重会計」という仕組みの導入・参加の推進
    4. 国際保健に関する企業の声を、政府に届ける活動の継続

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