2023年11月6日掲載
エーザイは、2013年より世界保健機関(WHO)を通じてリンパ系フィラリア症(LF)蔓延国に対してジエチルカルバマジン(DEC)錠を無償供給してきました。ミャンマーでは約1500万人が未だ感染リスクに晒されており、インド、インドネシアと並んで当社がDEC錠を提供してきた三大供給先の一つです。LFの蔓延を防ぐ主な戦略は、感染リスクのある全住民への治療薬の集団投与(MDA: Mass Drug Administration)であり、2000年にミャンマーの保健省はWHOと連携して、LF制圧を目的とした国家計画を策定し、MDAを実施してきました。
2023年2月にミャンマー西部でWHOおよび保健省により実施されたMDAプログラムに、ミャンマーで長く当社製品のプロモーションを担当し、DECマネージャー*も務めるSaw Thandar Hlaing氏が参加しましたので、その様子をご紹介します。
*DECマネージャー:各国政府との連携のもと、自国のLF制圧活動を推進する担当者
今回、私たちが参加したMDAは、ミャンマーのラカイン州のシットウェ地区とミャウ地区の8つの郡区で実施され、エーザイが提供したDEC錠が使用されました。エーザイがこれまでにミャンマーに提供したDEC錠は累計5.27億錠に上ります。
MDAでは、エーザイは、薬剤提供だけでなく、ミャンマー保健省の担当者、現地の医療従事者やボランティアの方々と共に、住民に対する疾患啓発を行い、地域住民全員が薬剤を服用することの重要性について説明する活動を行っています。これまでの定期的な患者様との共同化を通じて、この病気から解放されたいという患者様の切実な想いに強く共感し、今回のMDAでは、診察に加えて実施された、医師による衛生管理の教育プログラムに際して、消毒薬、包帯などのケア用品セットを患者様に提供しました。さらに、地域住民の皆さんにMDAへの参加を呼び掛けるメッセージをプリントしたTシャツを作成し、ボランティアの皆さんに配布し、着用いただきました。
今回のMDA支援への参加により、私たちは、患者様との交流や疾患啓発活動を通じて、LF制圧に向けてさらに何ができるかを考え、hhc理念に基づき、LF患者様と蔓延地域住民の皆様のベネフィット向上に引き続き貢献していく想いを新たにしました。
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エーザイは、今後もDEC錠の無償提供と共に、蔓延地域におけるMDAの実施支援や疾患啓発、衛生環境の整備等の活動を通じて、LF制圧に取り組んでいきます。
DEC錠の無償提供に対しミャンマー保健省から感謝状を受領
https://www.eisai.co.jp/sustainability/atm/ntds/activity/016.html
ミャンマーにおけるリンパ系フィラリア症制圧に向けた活動
https://www.eisai.co.jp/sustainability/atm/ntds/activity/019.html