2023年6月30日掲載
エーザイは、日本におけるグルーバルヘルスの社会的認知を向上させることを目的として2023年3月13日～18日に開催された「グローバルヘルス・インドトリップ」（「グローバルヘルスを応援するビジネスリーダー有志一同」主催、Open Philanthropy協賛）に参画し、本トリップに参加された日本の報道関係者とグローバルヘルスに取り組む次世代リーダーの育成をめざす「Reach Out Project（主催：株式会社PoliPoli）」参加メンバーの皆さんにリンパ系フィラリア症（LF）と患者様の実態を理解していただくために、蔓延地域での患者様との交流機会を設定しました。
１．インド・ヤラダ村訪問
インド南部のアンドラ・プラデシュ州に所在する人口約3,800人のヤラダ村には、約50名のLF患者様が生活しています。当社は2013年から同村において、州政府との官民パートナーシップにより、LF制圧に向けた疾患啓発や感染の原因となる蚊の駆除などの衛生環境整備の活動に取り組んでいます。3月17日に、トリップ参加者がヤラダ村のLF患者様のご自宅などを訪問し、実際の症状や生活の様子などについて話を聞く機会を設定しました。
患者様からは、発熱や痛みなどの症状が数日続き、それが治まるまで日常生活に支障をきたしている状況や、村を一歩出れば外見に対し奇異の目を向けられる差別の実態などが共有されました。また治療薬の無償提供のほか、衛生環境整備、防蚊対策といった、エーザイによるLF制圧に向けた包括的取組みへの謝意や、これらの活動の継続と他の村への展開に対する期待も表されました。ヤラダ村への訪問の様子をまとめた動画を是非ご覧ください。
２．バイザッグ工場見学
ヤラダ村訪問後、当社が世界のLF制圧プログラムに無償提供しているLF治療薬（DEC錠）を製造する当社インド・バイザッグ工場にて、DEC錠製造工程の見学ツアーのほか、当社のLFをはじめとする熱帯病に対する取り組みについて説明を行った後、トリップ参加者と当社社員との意見交換会を行いました。LF制圧に向けた今後の活動計画や制圧活動で感じた課題、グローバルヘルスに関する研究開発活動、グローバルヘルスへ取り組む意義などについて活発な意見交換がなされました。
プログラム終了後、トリップ参加者からは「ヤラダ村では、LF患者との触れ合いを通して、病気が実際に生活に与える影響を知ることができた。感染予防ができる薬があることは偉大な事だと感じた」、「製薬企業として、DEC錠を製造して無償で提供するだけではなく、実際に多くのLFの患者さんが生活されている地域で、地域に根付いた活動をしていることは大きな学びだった」などのメッセージが寄せられました。
プログラムに参加したPoliPoliの皆様と当社社員
当社は、人々の「健康憂慮の解消」や「医療較差の是正」という社会善の実現と長期的な企業価値の創造をめざしており、LF制圧をはじめとするグローバルヘルスへの取り組みは、企業理念が導く重要なビジネスドメインの一つと位置づけています。引き続きセクターを超えたパートナーと協力し、グローバルヘルス取組みの推進、グローバルヘルスへの社会的関心と理解の向上に貢献してまいります。