くすりの博物館
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合掌造(2007.12.07)
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 くすり博物館は1971年、六階建ての建物として造られました。年月を経て両側には翼がついたように1986年には展示館、そして2005年には図書館が順に建てられました。中央の建物を本館とよんでいますが、岐阜県飛騨地方の白川村の合掌造の家をモチーフにして作られました。屋根の形が木材を梁の上に手の平を合わせたように山形に組み合わせて建築された、勾配の急な茅葺きの屋根を特徴とする住居として知られます。白川では特に「切妻合掌造」といわれ、屋根の両端が本を開いて立てたように三角形になっているのが特徴です。積雪が多く雪質が重いという白川の自然条件に適合した構造に造られているそうです。実際の合掌造の家は、養蚕を行う屋根裏には採光と通風のために明かり障子があり、独特の大きな茅葺き屋根で内部は三階建てです。以前に合掌造を訪れた時、中はひんやりとして、想像以上に天井が高く感じられました。
 白川郷・五箇山の合掌造集落は、世界遺産として1995年に登録されました。保存に取り組んできた長年の努力が世界的にも認められたもので、人類共有の遺産として保護、保存されていくこととなりました。
 こういった昔ながらの家にたたずむと不思議と落ち着いた気持ちになれますね。最近は茅葺き屋根の日本の家屋を見かけることも少なくなってきました。生活様式も変わり、建築様式や目的、住まい方の変わった現在では建築物も変化をとげています。「60年前に建てられた家で、地震の時も倒れずにもちこたえた」というような話を聞くにつけ、昔の建築物のよさを思い知ります。本当にこれがなくなってしまったら、もう同じ材料を集めるのは困難で、同じものは作れないのではないでしょうか。当時の職人さんは亡くなっていても、建物は大切にされ後世に伝えられていくことのすばらしさを改めて感じます。
 博物館の資料も資料がよい保存状態で後世に伝えられますように。


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