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良薬は口に苦し(2006.03.10)
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薬

 青汁を飲むときに、「まずい!」と思いながらも我慢して飲んだことってありませんか。このまずさが体にいいはず・・・、なんてことを自分に言い聞かせながら。私は、漢方薬などの苦い煎じ薬を飲むときに、この苦さが効くはず・・・、といつも思います。
 よく知られている故事成語に『良薬は口に苦し』とあります。最近は、錠剤やカプセルなどの飲みやすい薬が多いため、あまりピンとこないかもしれませんが、むかしの薬は、生薬を煎じて苦かったことから、小さなこども達にも理解できたことでしょう。
 他人からの忠告やいさめは聞くのがつらいけれど、それは自分のためになる。という意味を含んでいますが、そもそもの出典は古い中国の書物に由来します。孔子の言動や門人との問答・論議を記録した『孔子家語(こうしけご)』や、前漢時代に劉向があらわした君主を訓戒するため逸話を列挙した教訓的な説話『説苑(ぜいえん)』に、「良薬苦於口、而利於病、忠言逆於耳、而利於行」という記載があります。つまり、孔子が言うのには「よく効く薬は苦いが、よく病気を治す。真心から諌めた言葉は、快く聞き入れ難いものだが、有益である。」という意味です。
 心から相手のことを思って注意をしたり、あるいは自らが受けた注意を素直に正したり、といったことはなかなかできることではありませんが、『良薬は口に苦し』を心で念じながら誰かを思いやったり、謙虚な姿勢で生きていきたいものですね。
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