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包むこころ(2005.02.10)
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風呂敷

 贈り物をするとき、あなたは何で包みますか?包むは「慎む」に通じ「隠す」「秘める」という意味あいが含まれています。裸で持っていく事を好まないことと関わりが深く「美しい包み方」「風流な包み方」など日本特有の「包みの文化」が発達しました。
 古くから物を包む時に最も一般的に用いられてきたのが風呂敷でした。生活様式の洋風化とともに紙袋や鞄にとって代わられた風呂敷も、ここ数年復活の兆しをみせているようです。風呂敷にはいろいろな包み方があって、本、洋服、お菓子、ワインやすいかのようなものなど、形にこだわらずどんなものでも包んでしまう高い実用性があります。また、繰り返し使えることから、エコロジーの観点で見直されているようです。特に便利な点は、空の入れ物を持つことなく、小さくたためることですね。実は私も、お気に入りの柄の風呂敷をみつけて愛用してるんですよ。よく旅行の時にかさばるセーターなどを包んでキュッと小さくして、旅行かばんに入れています。
 昔の薬売りは、大きな柳行李を風呂敷に包み、肩に担いで運びました。道中、追いはぎにあった時、簡単に結びが取れて逃げられるような結び方だったそうです。そういえば、医師の往診用薬箱も風呂敷に包んでいる様子が本などにでていました。
 ところで、古い薬を見てみると薬を紙に包み、袋にいれてあるものが見受けられます。さらにその包みを開けると、薬の名前と効能書が書かれていて、製作元と販売元などの情報も盛り込まれています。すなわち薬の包み紙が情報を伝える手段にもなっています。薬を飲む時に、自然に手にとってみますから、無駄もなく作り手のこころも伝わるような気がします。薬から贈り物まで、包むこころを忘れずにいたいものですね。


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