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葉っぱにのって。(2004.12.03)
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ユズリハ

 年の暮れはなにかと気ぜわしいんですが、「お正月が来る」って思うだけで、私はほんわかした気持ちになってしまいます。なぜか、暖かい南の国から「お正月さん」が春を運んできてくれる、というイメージがあるんですね。それは、こどもの頃読んだ本の、「ござった、ござった、お正月さんがユズリハに乗ってござった」という唄のイメージ。
 それから、冬休みといえばこたつでミカン、ストーブの上のおしるこの見張り番。お年玉をもらってうれしかった記憶までいまだに残っていて(?)・・・だからなんかあったかーいイメージがあるのかも。実際は年末なんて、宿題に、年賀状書きに、掃除の手伝いに、お節料理の買い出し(=荷物持ち)と結構忙しかったんですけどね(^^;)

 専門的に言うと、冬至などの冬の行事や新年・春を迎える行事というものは、万物が冬に死んで春に再生することを象徴しているそうです。新年を迎えるときに、わたしたちの「気持ち」まで一新されてしまうのは面白いですよね。
 ところで、お正月さんのユズリハって、「どんな葉っぱなんだろう?」って思いません? それが薬木園にあるんですねー。庭木になることもあるようですが、私は博物館に勤めて初めて本物を見ることができました。「お正月さんの乗り物」をイメージしていたので、固いごわごわした葉っぱかと思いきや、わりとしなやかな葉っぱでした。このユズリハは春先に古い葉と新しい葉が一度に入れ替わるのでこの名前があるそうです。昔の人の観察力ってすごいですよね。ちなみに薬としては樹皮や葉を煎じて腫れ物に用いたとか。

 忙しくなるとつい目先のことばかり考えてしまいますが、そんな時は息抜きに外へ出ませんか。常緑樹の間で深呼吸。枯れた枝の間から空を見上げて気持ちをリセットすると、「お正月さん」の姿が遠くに見えてくるかも。

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