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浴衣の夏。(2004.08.06)
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花火

 今年は、アンティークの着物や洋服のような浴衣が人気と聞いていますが、皆さんはどうでしょう? 確かに着物って約束事が多くて、訪問着のような格のあるものにはなかなか手が出ません。また、車で通勤、仕事でパソコンだの展示作業するにはあまり向いていません。でも遊びに行く時の浴衣や、普段着レベルの着物なら大好きです。特に夏祭りは絶対「浴衣派」です。

 くすり博物館の近くでは夏祭りといえば、一宮市の七夕祭り、岐阜市の長良川や尾西市の木曽川の花火大会もあります。名古屋まで足を伸ばすと、広小路祭りや名古屋城祭り、港祭りもあります。最初は、大勢の人で賑わう中を浴衣姿で歩くのは大変かなぁ?と心配していましたが、浴衣は日本の気候にちゃんとあっていて結構涼しいですよ。それに下駄を履いて、しゃんと背筋を伸ばして歩くと、“夏”を実感できて、とても楽しい気分になります。ミュールの方が楽ですけどね。ちなみに帯は、特訓(?)を重ねたおかげでしょうか、なんとか“文庫”くらいは結べるようになりました。今年はもう少し難しいのにトライしてみようと思いますが・・・無理かな?

 それから、この地方では「夏越の祓い」と「赤丸神事」という行事があります。「夏越の祓い(なごしのはらい)」は新年を迎えてから無事半年が過ぎたこと、いわば1年の折り返し地点の行事で、6月の晦日に大きな「茅(ち)の輪」をくぐって残り半年の無病息災を祈ります。蘇民将来と巨旦将来の兄弟、スサノオノミコトにまつわる伝説にちなんだ行事で、旧暦で8月に行うところもあります。この辺りでは、一宮市の真清田(ますみだ)神社、一宮市瀬部の金毘羅(こんぴら)社、名古屋市の川原神社が有名です。(スサノオノミコトをお祀りした津島市の津島神社は、確か新年にこの行事を行っていたかと思います。)
 「赤丸神事」は、こどもの額に赤い丸印をつけて、健康を祈るものです。これも6月から7・8月に行うところが多いようです。このときには、浴衣のこどもをよく見かけますね。小学生の高学年か中学生くらいでしょうか、浴衣姿の女の子が同じクラスの男子に偶然会ったようで、にぎやかに話をしています。浴衣を着たお姉ちゃんが、よちよち歩きの甚平姿の弟の手を引いています。向こうでは、珍しく中学生くらいの男の子が浴衣を着ていて、友達に冷やかされています。あら、大変!浴衣で転んじゃったのは誰?
・・・でも縁日のランプの下で、おでこに赤い丸をつけられたこどもたちは、皆楽しそうです。こんな風景を見ると、私もこどもの頃、よくおばあちゃんやいとこ達と夏祭りに行ったのを思い出します。小さな頃に着物を着て、楽しい思い出があれば、大人になってからもまた着てみよう、という気持ちになるのでしょうか。

 どの子もどの子も病気をしないで、1年無事に過ごせますように。また来年、元気な浴衣姿、見せてね。

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