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病(やまい)、さる。(2003.12.26)
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見ざる聞かざる言わざる

 来年は申年ですね。
 動物でも人間に似ていて、愛嬌のある猿は昔から私たちに馴染みが深いようです。猿は昔物語にも多く登場します。江戸時代、五大昔話の一つにかぞえられた動物昔話『猿蟹合戦』を思い浮かべる方も多いかもしれません。ほかにも『桃太郎』のお供や、中国の『西遊記』では縦横無尽に活躍する「孫悟空」も有名ですね。古くから「猿も木から落ちる」「見ざる聞かざる言わざる」といったことわざにもなっています。

 また「猿」と「去る」の語呂が合うので「病去る」「厄を去る」など「病気平癒祈願」としてのお守りが少なくありません。埼玉の萩日吉神社の「猿」、和歌山の若宮八幡宮の「瓦猿(かわらざる)」、「桃もち猿」が描かれた絵馬など・・・私も資料を収集するまでは、猿に関するものがこれほどあるとは思っていませんでした。このほかに、薬としては猿の頭の黒焼き「猿頭霜」があり、頭痛薬として用いられました。

 中国のビコウトウ(び猴桃)は猿の桃という意味で、オニマタタビのことですが、これを品種改良したものがキウィ・フルーツです。サルナシ・シマサルナシ、サルトリイバラ、サルスベリなども猿にちなんだ名前の植物です。このサルスベリは、「幹の表面がつるつるしていて、木登りの上手な猿もすべる木だから、サルスベリ(猿滑り)という名前だ」と昔、教えられ妙に感心したことを思い出します。夏の盛りに花をつけ、花の時期が百日近くも続くため、「百日紅」とも書かれます。

 年が去る時に、来年の干支の猿を思い、病さる、健やかな年を猿にあやかりたいものですね。皆さんよいお年をお迎えください。

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