エーザイの主力品は医療用医薬品のアルツハイマー型認知症治療剤「アリセプト」とプロトンポンプ阻害型抗潰瘍剤「パリエット(米国名:アシフェックス)」であり、世界各国で販売されています。
アルツハイマー型認知症は主に初老期から老年期に発症し、記憶力低下、行動の変化、さらには言語障害や運動機能障害へと進行する脳の変性疾患です。発症のメカニズムはまだ明らかになっていませんが、患者様の脳内では記憶と学習に関与している神経伝達物質アセチルコリンが減少していることがわかっています。
エーザイの開発した「アリセプト」は、このアセチルコリンを分解する酵素(アセチルコリンエステラーゼ)の働きを妨げて、脳内アセチルコリン濃度を高め、アルツハイマー型認知症における症状の進行を抑制する治療剤です。病態そのものを治す薬ではありませんが、患者様と患者様を支えるご家族や介護者の皆様の負担を大きく軽減し、QOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)を向上させることができます。
現在、日本でアルツハイマー型認知症治療薬として承認を受けているのは「アリセプト」だけです。国内での販売(1999年)に先立ち、1997年から米国で販売が承認され、その後、世界各国で販売が承認されました。すでに、米国や日本では軽度、中等度に加えて高度のアルツハイマー型認知症まで、すべてのステージのアルツハイマー型認知症治療薬として承認されています。現時点で、世界において軽度・中度・高度までのすべてのステージをカバーする治療薬は「アリセプト」だけです。
2008年1月末現在では世界70カ国以上で販売されています。
一方、「パリエット(米国名:アシフェックス)」は、胃酸の分泌を抑制する作用があり、逆流性食道炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの治療に使用されます。
胃酸には、たいへん強力な酸(pH1〜2)が含まれており、胃内を一定以上の酸性に保つことで、食物の消化を行うとともに、食物と一緒に体内に取り込まれた各種細菌の殺菌を行っています。しかし、その胃酸を中心とした胃内容物が食道内へ逆流することで食道の粘膜が炎症を起こすことがあります。それを「逆流性食道炎」といい、主な症状は「胸やけ」です。日本でも高齢化や食生活の変化で「逆流性食道炎」の患者様は増加していると言われています。
「パリエット」は、胃粘膜で胃酸を出す「プロトンポンプ」の活性を妨げることにより、過剰な胃酸の分泌を抑制する働きがあります。効果の発現が速く、酸分泌を確実に抑制できることから、逆流性食道炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの治療薬として広く使用されています。
「パリエット」は2008年10月現在、世界85カ国以上で販売されています。