若年性認知症当事者様とそのご家族を囲む座談会をつくば研究所にて実施

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2023年8月

2023年7月、当社の研究開発部門であるDHBL主催のhhc活動として、若年性認知症当事者様とそのご家族を筑波研究所に招き、研究員たちと交流する場を設けました。

 

当事者の木下さんはカリフォルニア州サンノゼ在住の50代の男性で、長らくベンチャー企業でがんの研究を中心に創薬に携わってきた研究者です。座談会では、木下さんより、研究者としての経歴、ご自身で感じた不調からの受診、若年性認知症との診断に至る経緯と、その中でのお気持ちをお話しいただきました。木下さんからの事前のご要望を受け、エーザイ側からは、アルツハイマー病創薬の現状や治療と取り巻く環境について説明しました。座談会では、エーザイの研究員から、認知機能評価を行う検査の負担、治療へのアクセスにおいて感じられている課題、BPSD(周辺症状)に対する薬の影響について感じられていることなどの質問が挙がりました。その中で、木下さんがご自身のみならず家族への影響や心理的負担も気にされていること、木下さんご家族が住む米国での保険制度の複雑さ、認知症当事者や家族の置かれている状況など、限られた時間の中で濃密な対話を通じて、創薬に携わる社員には多面的に、強く印象に残る機会になりました。

 

座談会に続き、お子様を含めたご家族全員で最新の研究システムに関する動画をご覧いただき、その後、今年4月にリニューアルした筑波研究所をご見学いただきました。

 

後日、木下さんより下記メッセージを頂戴し、製薬会社に務める我々の責務を改めて認識する貴重な機会になりました。

 

“当事者である私が、有能で誠実な社員の皆さんと間近で力強いエールを交わしたことは、 私たち家族にとって大きな節目となりました。心強い援軍を得て、改めてこの厄介な病気に向かって宣戦布告するような心持ちでいます。”

 

“いつの日か、他の病気と同様にアルツハイマーの Survivor が出る日を目指し、元サイエンティストとして、製薬に携わった人間としてリサーチ参加や当事者活動 に励みます。エーザイの皆さんとは立場は違えど、ゴールは同じです。それぞれの場で闘う同志として、一緒に走り続けましょう。”

 

エーザイは、hhc共同化活動を通じて感じ得た認知症当事者様の憂慮を、これからの創薬活動に活かし、今後も認知症の予防・治癒を目指してまいります。

 

座談会の様子(木下さんご夫妻、研究員)

エーザイのがん研究者らと談笑する様子

今回共同化を実施した筑波研究所