

イギリスで18世紀に興った産業革命期には、薬品研究も進んだ。

繊維工業の発展により開発された漂白剤は、後に医療用の消毒薬としても用いられた。1850年以降、にイギリスのパーキン、ドイツのホフマンらがさまざまな合成染料を発見した。さらにこれらの染料を医薬品へと応用できないかと、新製品の研究開発が活発に行なわれた。

ドイツのエールリッヒは、 1902年に志賀潔を助手としてアニリン色素・トリパン赤がアフリカ睡眠病を引き起こすトリパノソーマ原虫に効果があることを発見し、色素療法を開発した。

彼はまた、秦佐八郎(はた・さはちろう)とともに、1910年に梅毒の特効薬・サルバルサンを創製した。1932年にはドイツのドマークが、赤色のアゾ色素・プロントジルがレンサ球菌による感染症に有効であると発見した。これに対抗して、フランスの化学者・トレフェル夫妻らは、 1908年にオーストリアのゲルモにより合成されたスルファミンに着目し、これにプロントジルと同様の効力があることを発見した。スルファミンは既に発表されており、特許で保護されなかったため、各国はこぞってスルファミンを製造した。

1897年には、ホフマンがアセチルサリチル酸の純粋な形での合成に成功し、この薬品が1899年にドレーザーによって解熱・鎮痛作用が優れていることが判明したため、アスピリンとして販売された。
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ネオサルバルサン 0.6gx1

赤色プロントジル 5ccx5
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