社外取締役に聞く
ステークホルダーズの視点を重視し、常に改善を続けるエーザイのコーポレートガバナンス
社外取締役(監査委員会委員長、社外取締役独立委員会委員)
増田 宏一
1. 社外取締役に就任されてから1年が経過しました。現時点において、エーザイという会社について、どのような印象をお持ちですか?
増田:
常に患者様の立場に立って考え、患者様価値の向上を事業活動の目的に据える考え方が社内に浸透し、また、組織運営の中でその理念を常に重視する点が極めて先進的であると思います。
多くの企業が、事業活動の基本をサプライサイドからユーザーサイドにシフトさせようとしていますが、必ずしも徹底しきれていない企業が多いように思います。一方、エーザイでは、ヒューマン・ヘルスケア(hhc)の理念が現場の隅々にまで浸透していることに加え、その考え方が定款にも記載され、株主の皆様とも共有されていることは高く評価されるべきであると思います。
また組織の「風通しのよさ」も強く感じています。すべての役職員が職位を越え、部門を越えて、それぞれの立場から「言うべきことを言う」文化がしっかりと根づいています。そのことは取締役会の運営、経営監査部などのスタッフの仕事ぶり、監査委員会の運営においても実感することができます。こうした「風通しのよさ」が社内の活発なコミュニケーションを生み出し、患者様をはじめとするステークホルダーズの様々なニーズに応えることにつながるのだと思います。
2. エーザイのコーポレートガバナンスについては、どのような印象をお持ちですか?
増田:
コーポレートガバナンスについて、エーザイは日本でも最先端の考え方を持ち、実践している企業であると思います。私自身、公認会計士あるいは日本公認会計士協会の運営に携わった立場から、これまで多くの企業に接し、コーポレートガバナンスに関して先進的な取り組みをしている多くの企業とも交流を持っていました。こうした企業の事例と比べても、エーザイのコーポレートガバナンスは極めて高い水準にあると感じています。
具体的には、社外の人材をうまく取り入れた、しっかりしたコーポレートガバナンス体制が構築されていることを挙げることができますが、エーザイのコーポレートガバナンスの特徴は、こうした既存の組織体制について、現状に甘んじることなく常に高い問題意識を持ち、改善をはかっている点にあると思います。人間のなすことにパーフェクトはないので、企業は常に既存システムの改善に努めなければなりません。エーザイの役職員は、常に現状に関する高い問題意識を持ち、こうした既存の経営システムの改善に関する議論をしっかりと行っている会社だと思います。
ステークホルダーズに対する説明責任という点でも、エーザイは極めて誠実な姿勢を貫いていると思います。株主総会の健全な運営は、企業のコーポレートガバナンスが機能していることを示すバロメーターであるというのが私の持論ですが、先の株主総会では、株主の皆様から23件におよぶ質疑応答がなされ、その一つひとつの質問に丁寧にお答えすることができていたと思います。
3. エーザイの企業価値向上に向けて、何が必要であるとお考えですか?
増田:
世界は今、大きな変革のうねりの中にあります。まさに「大グローバリゼーション」の時代を迎え、またITなどの発達により、企業の様々な情報が世界中に伝播するスピードも加速し、企業を取り巻くリスクの多様化と増大化が顕著となっています。今後、エーザイが企業価値を持続的に高め、様々なステークホルダーズの利益を守り続けるためには、「リスク管理」が極めて重要な鍵を握ることになると考えています。
私はエーザイの取締役として、多様化し増大するリスクに対応できる組織の構築や人材の育成が適切になされるよう、正しい道を示していきたいと考えています。
【略歴】
| 1966年4月 | 田中芳治公認会計士事務所 |
|---|---|
| 1978年9月 | 新和監査法人社員 |
| 1992年7月 | 監査法人朝日新和会計社(現有限責任 あずさ監査法人)代表社員 |
| 2001年7月 | 日本公認会計士協会副会長 |
| 2004年7月 | 日本公認会計士協会政治連盟会長 |
| 2007年7月 | 日本公認会計士協会会長 |
| 2009年10月 | 株式会社企業再生支援機構社外監査役(現任) |
| 2010年4月 | NKSJホールディングス株式会社社外監査役(現任) |
| 2010年6月 | 当社取締役(現任)、監査委員会委員長(現任)、社外取締役独立委員会委員(現任) |
| 2011年6月 | TDK株式会社社外監査役(現任) 株式会社第四銀行社外監査役(現任) |
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