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1998年4月29日〜10月18日 企画展「くすり収納のかたち〜印籠から百味箪笥まで〜」開催 ●婚礼用の薬箱 衣装箪笥などと共に、薬箱や薬箪笥は、婚礼用の道具のひとつとして作られました。嫁ぎ先と実家の紋をそろえて入れたものもみられます。 <葵紋牡丹紋薬箱 / 江戸 / 12×18×22cm>
皇女和宮ご愛用といわれる薬箱で、徳川家から「小石川御薬園」の「薬園預り」であった芥川家へ譲渡されたものです。葵紋と牡丹紋が入っています。 <御薬箪笥 / 江戸 / 24×38×36cm>
●携帯用薬箱 <携帯用薬箱 / 江戸末期 / 7.7×12×6.4cm>
幕末の頃、徳川家より、芥川家に譲渡されたものといわれています。芥川家は江戸時代に「小石川御薬園」とよばれた幕府直轄の薬園の「薬園預り」(園長)を岡田家と代々勤めていました。この薬園預りは、正徳元年(1712)より明治になるまで続けられました。 薬箱の中には15種類の薬が収められています。 (薬箱の中におさめられている薬品) 薬箱の中には次のような15種類の薬品の薬瓶があります。 1.薄荷油 2.橙皮油 3.茴香油 4.桂枝油 5.丁子油 6.菊油 7.甘硝石精 8.えれきしるぽろぷりと 9.さふらん 10.てるたきすはるす 11.ひよしやもすえきす 12.奇応丸 13.鎮けい散 14.酒石散 15.木醋 携帯用薬箱の中に小さな手帳が入っており、それぞれの薬品について効能や用い方について次のように書かれています。 1.薄荷油: 目まい、腹痛、又は胸の悪きとき、あるいは食滞一切によろし。此油弐三を砂糖一さじにまぜ一度に用ゆ。頭痛、又は虫歯、又は乳のかたまりなどに塗りてよし。 2.橙皮油: 此油と薄荷油、茴香油、まぜてもよろしく候。溜飲又は食滞、あるいは食気少なき節に用ゆ。二、三露を砂糖一さじにまぜ水にて用ゆ。 3.茴香油: 溜飲あるいは心下のつかへ、又は食滞あるいはぜん息などにて、たんのつかへ用てよし。二、三露を砂糖一さじにまぜ水にて用ゆ。 4.桂枝油: 血のうすき人は心下のつかへ、腹の痛み、あるいは頭痛、目まい、食滞によろし。二、三露を砂糖一さじにまぜ水にて用ゆ。 5.丁子油: 気分のふさぎ、あるいは胸、心あしき節、又は冷え症にて血の道おこる節あるいは月々のめくりあしきに用ゆ。二、三露を砂糖一さじにまぜ水にて用ゆ。舌こわり言葉出かねる節、舌に塗りてよし。 6.菊油: 風邪にて寒けつよき節、又は食滞にて心下つかへるとき、あるいは冷え腹の痛みによろし。二、三露を砂糖一さじにまぜ水にて用ゆ。 7.甘硝石精: 気を失ひ候節、気付けに十五露計り一度に口中え流し入れてよし。血フ道、胸のつかへ、気分のふさぎ、あるいは目まい、頭痛のせつ、七露計り猪口半ぶんの水にまぜ用ゆ。 8.えれきしるぽろぷりと: 胃をととのへ、食もつをこなす。血の道あるいは頭痛、目まい、腹痛、食滞によろし。十五露より三十露まで猪口半ぶんの水にまぜ用ゆ。 9. さふらん: 血の道一切によろし。目方二、三りん湯のみ茶わん半分のさ湯にひたしておき用ゆ。 10.てるたきすはるす: かん症一切によろし。其外、腹痛あるいは胆石激しき節、又は夜ぶん眠りかねる節、目方三りんより五りん計り粉になし、砂糖一さじにまぜ、さ湯にて用ゆ。 11.ひよしやもすえきす: 腹痛激しく耐へ難きせつ用いて、痛みたちまち止る。ただしかくらん、又は食滞にて痛むには用ふべからず。気分もだへおちつきかねる節、あるいは胆石激しき節、又は夜ぶん眠りかねる節によろし。目方一分を五六つぶにまるめ、さゆにて用ゆ。又は水にとき用ゆるもよろし。 12.奇応丸: かん症、腹痛、ふさぎ、食滞一切によろし。ただし、のぼせ強きせつは用ゆべからず。 13.鎮けい散: のぼせ、頭痛、めまい、其外血の道一切、あるいはかん症にて熱つよく、惣身の筋を引つめるによろし。目方五分計り水にて用ゆ。 14.酒石散: 熱激しく、渇き強きせつ、目方一分を粉になし茶わん一ぱいの砂とう湯にとき、少しづつ用て渇き止る。暑中あつさ耐へがたきせつ、目方一分粉になし二合計りの砂糖水にとき用いて暑気をはらい暑さをさます。其外のぼせにて目まい、頭痛強きせつ用いてよろし。 15.木醋: むし歯につけて、痛みそくざになほる。木綿わた極少々にひたし歯のうろに入てよし。 |
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