
秤(質量計)は2年に1回の定期検査を受けることが、現在の計量法で義務づけられています。国や都道府県の計量検定所などでの検査に合格した物には「検定証印」、品質管理能力のある指定製造事業者の検査に適合した物には「基準適合証印」がつけられます。証印のない秤を取引や証明用に使うことができないため、目方売りで使用する秤には合格年月を記したシールがついているはずです。
いつの時代にも、私腹を肥やすために量を偽って取引するために秤や錘の改造をたくらむ人がいました。すでに江戸時代に5年〜10年に一度、秤を検査する“秤改め”が行なわれていました。合格すると「極」「改」「定」など年次ごとに形の異なるしるしが鞘、皿、錘の1ヵ所ずつに刻印され、このしるしを「極印」と呼んでいました。
「極印」は偽造防止または精度保証のために押された印影です。「極印を打たれる」という表現もあるように、動かすことや消し去ることのできないしるしでもあったために、極印は良くも悪くも重みのあるしるしでした。
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