

庶民の養生に対する関心や、蘭学によってもたらされた情報や知識により身体や健康への考え方について起こった様々な変化を時代の流れと共に見ていきます。
年代 |
医学・薬学についての主な出来事 |
主な政治・経済 |
1600年頃 |
徳川家康が薬への関心が高いことから、幕府の奨励を得られる |
- 関ヶ原の戦い (1600年)
- 江戸幕府確立 (1603年)
- 島原の乱 (1637年)
|
1650〜 1700年頃 |

本草学が流行し国産の薬物の栽培が盛んとなる。
|
|
1700〜 1750年頃 |
庶民が養生について感心を持ち始め、学ぶ事が盛んになってきた。 |
- 享保の改革 (1716年)
- 「公事方御定書」制定 (1742年)
|

多くの養生書が出版され見られていたが、中でも貝原益軒の「養生訓」は庶民にとって具体的な方法が述べられており有名になった。
|
1750〜 1800年頃 |
徳川吉宗により、洋学の禁が緩められ、蘭学隆盛の気運が高まってくる。
医学の世界にて、臨床経験を重視する古方派が登場してくる。 |
- 天明の大飢饉 (1782年)
- 寛政の改革 (1787年)
- 大御所時代 (1793年)
|

山脇東洋が日本最初の人体解剖に立会う機会を得て、これまでの五臓六腑説の誤りを正す日本最初の解剖図「蔵志」が発表される。
|

オランダの解剖書ターヘル・アナトミアを翻訳した「解体新書」が出版される。
|

蘭学の研究史や研究の必要性を説いた蘭学入門書「蘭学階梯」が出版される。
|
1800〜 1850年頃 |
これまで漢方医が主流であったが、西洋医学に基づく外科療法が使われるようになっていく。 |
- 大塩平八郎の乱 (1837年)
- 天保の改革 (1841年)
- ペリーの艦隊来航 (1853年)
- 安政の大獄 (1858年)
|

華岡青洲が世界初の全身麻酔を用いた乳がん切除手術を行う。
|

生理学や病理学まで記載された、簡潔な解剖学の本「医範提綱」が出版される。
|

大槻玄沢が、「解体新書」を見直し正確に翻訳し、解説を加えた「重訂解体新書」を完成させる。
|
|