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内藤記念くすり博物館 近代化産業遺産認定コレクション

<その50>教育 まず初等教育より始めよ−明治期の理科の教科書−

 明治政府が近代国家建設にあたって急いだのは人材の育成である。西欧諸国へ留学生を派遣して最先端の知識や技術、情報を吸収させたのはもちろん、次世代の人材育成に向けて教育制度も整備した。

 画像の資料は明治時代の小学校向けの理科の教科書である。このような簡潔な内容では、教員が授業を進めるのは難しかったかもしれない。その一方で教科書を開いて初めて接する新しい知識に目を見張り、嬉々として学んだこどもたちもいたことだろう。

 当時教育を受けたこどもたちは長じて後、近代日本の医薬、化学などの分野で研究開発を推し進め、産業の発展を支えた。“三つ子の魂百まで”というが、近代日本の揺籃期(ようらんき)における教育への熱意は150年後の現在にも引き継がれ、科学技術の分野でさまざまな成果を実らせる礎(いしずえ)となっている。

高等小学新理科 巻三・巻四(生徒用) 佐野喜代吉編 1894(明治27)
高等小学新理科 巻三・巻四(生徒用)
佐野喜代吉編 1894(明治27)
「地球及天体ノ引力」に始まり、「人体の構造。内部機関」など、理科全般について解説されている。4巻は「生徒用」と書かれている。
訓蒙窮理図解 初編巻之1-3 福沢諭吉著 刊 1871(明治4)
訓蒙窮理図解 初編巻之1-3
福沢諭吉著 刊 1871(明治4)
序文では、「人としてこの世に生まれなばよく心を用ひて何事にも大小軽重に拘はらず先づ其物を知り其理を窮め一事一物も捨置くべからず」と物理や化学などを学ぶ重要性が説かれている。内容は英語で書かれた科学書を引用しているが、身の回りの事象を例に取ってわかりやすく解説している。
小学理科 巻2 生徒用 西村正三郎編 1894(明治27)
小学理科 巻2 生徒用
西村正三郎編 1894(明治27)
植物について書かれている。
小学生理画図 著者名欠
小学生理画図
著者名欠
消化器官など18枚の図が掲載されている。

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