くすりの博物館
サイト内検索
内藤記念くすり博物館のご案内
人と薬のあゆみ 薬草に親しむ 内藤記念くすり博物館のご案内 もうひとつの学芸員室くすりの博物館トップページへ
館長挨拶
トピックス
イベント
ご利用案内
館内ガイド
出版物・販売物
トピックス

内藤記念くすり博物館 近代化産業遺産認定コレクション

<その39>医療器具 使い捨てないカイロ

 カイロ(懐炉)の起源は温めた石を布で包んだ温石とされる。もともとは寝る時にお腹に乗せて空腹を紛らわすために使われたが、腰痛や神経痛の患部を温めるための医療用としても使われた記録がある。現在は鉄粉と活性炭などで発熱させる使い捨て懐炉が主流となってしまったが、かつては使い捨てないさまざまな懐炉が考案されている。江戸時代後期に灰式懐炉と呼ばれる懐炉が登場した。金属製の容器に木炭片と灰を詰めたこの懐炉は温石よりも暖かさを持続できた。

 画像は大正時代に発明された白金懐炉である。プラチナを触媒にし、ベンゼンを低温で燃焼させるこの懐炉は、当時としては革新的な技術であった。現在でもプラチナを含めた各種レアメタルは触媒化学分野で重要な元素とされ、日本人によるノーベル賞級の複雑な構造の薬剤合成とも関わりが深い。日本が誇る技術分野なのである。
懐炉(ミカサ)と懐炉灰
懐炉(ミカサ)と懐炉灰

懐炉(ハクキン)
懐炉(ハクキン)

これまでの記事:バックナンバー

ページの上に戻る
ご意見ご感想著作権について Copyright(C), Eisai Co., Ltd. All rights reserved.