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内藤記念くすり博物館 近代化産業遺産認定コレクション

<その30>広告 一家団欒 衛生を語る−公衆衛生ポスター−

 大正時代、感染症に対する公衆衛生対策は大正デモクラシーの華やかなイメージとは裏腹に立ち遅れていた。人肥の使用や上下水道の未整備による水質汚染、予防知識の不足が感染症の流行を引き起こしていたのである。

 展示のポスターは公衆衛生を啓発するもので、死者数などから大正後期のものと推測される。厚生省医務局編『医制八十年史』によると、大正8年(1919)の人口約5500万人に対し、同年から13年(1924)までの腸チフスの患者は毎年5万人を、結核による死者は11万人を超えている。その他に、寄生虫や感染性の眼病(トラホーム)も流行していた。

 ポスターに描かれたような不衛生な環境は現在ではすっかり改善された。しかし皮肉なことに、この清潔すぎる環境はアレルギー疾患の増加を招く要因のひとつとなってしまったのかもしれない。

※ トラホーム=顆粒性結膜炎のことで、「トラコーマ」をドイツ語読みした言葉である。
ポスター「衛生は幸福の基」 大正後期
ポスター「衛生は幸福の基」
大正後期

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