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内藤記念くすり博物館 近代化産業遺産認定コレクション

<その6>度量衡 天秤 −薬の量をはかる−

 物の重さや長さなどを“はかる”ことは、その対象物を数値によって客観的に確認することであり、科学の世界においても、商取引でも基本的かつ重要なことである。

 人類が最初に考案した“はかり”は、重さを計る天秤である。もともと天秤は、棒の両端に荷物を釣り下げて運ぶ道具だったが、両側の皿に品物と分銅をのせることで重さの計測に用いられるようになった。日本では、江戸幕府が一部の秤職人だけに秤の製造を許可して、秤の改良を禁止したため、明治時代になるまで、その構造にほとんど変化はなかった。

 明治時代になると、医療の世界では西洋医学が主流となり、薬も西洋薬へと切り替わることとなった。薬局では調剤用の天秤を備えておくことが薬事法で義務づけられ、調剤用の上皿天秤の需要が急激に増加した。また、1959年(昭和34)には、尺貫法が廃止されて、重さの単位は匁(もんめ)からグラムへと、国際的な単位に統一された。

 写真の資料は、調剤用上皿天秤と毒薬天秤である。上皿天秤は、明治時代のものである。毒薬天秤は、風や温度の影響を防ぐために、ガラスケースの中で計量作業を行う。感度0.0001g〜0.001gをはかり分けることができるため、毒薬天秤または化学天秤などとも呼ばれた。
調剤用上皿天秤
調剤用上皿天秤

毒薬天秤
毒薬天秤

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