本資料は『名山図譜』(のちに『日本名山図会』)を谷文晁と共に出版した医師・川村錦城(寿庵)の処方集である。錦城(?-1812)は安藤昌益の医学の継承者と見られていたが、この稿本中に安藤昌益の処方として知られてきた「安肝湯」が収録されていたことなどから、錦城とは川村錦城その人であることが判明した。
本資料は、2001年に安藤昌益の会・事務局長の石渡博明氏が『大同薬室文庫蔵書目録』中に見出し、その後、同会会員・八重樫新治氏により内容が検討された結果、昌益の処方も継承されていることが確認された。 <解題:東條栄喜> |