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17日間に亘る北京オリンピックが終わりました。夏休み期間と重なったこともあり、テレビの前で熱い声援を送られた方も多かったと思います。一方、国内では夏の風物詩、甲子園での全国高校野球も熱戦を繰り広げました。オリンピック開催期間と重なったにも拘わらず、連日数多くの観客がつめかけ、相変わらず根強い人気ぶりでした。試合終了後、ホームベース前に整列し、どの試合も勝者・敗者どちらからともなく握手を求め、お互いに健闘を称える姿は、観るものに爽やかな気分を与えてくれます。
元高野連会長の故牧野直隆氏は、決勝戦直後の閉会式挨拶で決勝戦に敗れたチームに絶大な賛辞を送ることを決して忘れることはありませんでした。すなわち「敗れたとはいえ、○○高校選手諸君の戦いぶりは勝者に勝るとも劣らない誠に見事なものであり、我々に大きな感動を与えてくれました」といった内容だったと思います。溢れる涙をこらえながら、このスピーチを聞く敗れたチームの選手の表情を見て、いつも胸が熱くなったのを今でも鮮明に憶えています。
さて、かつての甲子園球児やこれを目指したプロ野球選手からなる北京オリンピックの日本代表チームが惨敗しました。各テレビ局が分担して全ての試合を放映し、ベンチでの選手、監督、コーチの表情を克明に映し出すため、ベンチの雰囲気がテレビを通して伝わってきます。それは、これまでの国際試合とは全く違ったもののように見えました。すなわち、チーム全体にみなぎる一体感がなく、グランドではなく、すでにベンチで勝負がついていたようにも思えました。もし、牧野直隆氏が生きておられれば、敗者である日本代表チームにどのようなメッセージを送られたでしょうか。
で、館長のメッセージは?コラムのタイトルのとおり「館長の黙して語らず」というわけにはいきませんか。うーん、残念ながら敗者を称える適当なメッセージが思い浮かびません。悪しからず。
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