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昨年4月にプライベイトで2泊3日の九州旅行をした。湯布院、阿蘇山、久住高原、臼杵(うすき)、黒川温泉、大宰府が主な訪問地である。旅行中は好天に恵まれ、総じて大変満足すべき旅行であった。うちのかみさんはじめ実の姉・妹など身内ばかり8名(男3女5)で、平均年齢は70歳を超えた。堂々たる高齢者パーティである。旅のコーディネートはすべてかみさんが行った。
何といっても火の国・熊本は「阿蘇山」である。九州は出張・旅行などで数回訪れた経験があるものの、阿蘇山は初めてでほとんど予備知識がなかった。阿蘇山は世界最大級のカルデラ型活火山であり、九州のほぼ中央に位置する。カルデラとは、火山活動によってできた巨大な凹地で、阿蘇カルデラは南北25km、東西18kmと世界でも有数である。阿蘇カルデラは30万年前から9万年前にかけておきた4回の大噴火によりできたものである。最大規模であった阿蘇第4火砕流は、九州の北半分を焼き尽くし、山口県まで達したといわれており、その様子は旅の最終日に訪れた九州国立博物館内でアニメーションにより紹介されていた。想像を絶する自然の猛威・営みには感動すら覚える。カルデラの内壁を形成する屏風のように連なる雄大な外輪山、広大な草原とミヤマキリシマに代表される群生する高山植物、散在する温泉郷・・・素晴らしい。阿蘇山は、中央火口丘群の根子岳、高岳、中岳、烏帽子岳、杵島岳の総称であり、最高地点は高岳の1592mで、中岳は現在でも活火山として活動中である。当日は絶好の日和、山頂で噴煙上げる神秘的な火口を垣間見ることができた。
博物館に勤務している一人として、開館して間もない九州国立博物館で旅の最後を締めくくった。東京・奈良・京都に次ぐ4番目の国立博物館としての九州国立博物館は、太宰府天満宮裏の丘陵地にあり、天満宮から長いエスカレータと動く歩道(虹のトンネル)で繋がっている。160m×80mの長方形蒲鉾型の巨大な建物で、屋根は高いところで36m、延床面積は約3万uに達する。230億円の建築費と2年の施工期間を経て、2005年10月16日にオープンした。後日、1年間の入館者が目標の30万人に対し220万人を突破したと公表された。九州に博物館をという構想は、岡倉天心が提唱した1899年(明治32年)に遡るという。1世紀以上の時間が経過し九州人の念願がかなった。アジアとの文化交流史(平常展)の展示資料は、東京国立博物館や地方自治体の教育委員会収蔵品なども含まれている。テーマを定めた期間限定の特別展も活発である。
由布院・玉の湯も素晴らしかった。感動と満足の九州の旅であった。

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