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寒い日が続くと、体だけでなく、心のほうもなんとなくぎゅっと縮こまってしまいます。そこで、活躍するのが湯たんぽ。寝る少し前に布団に入れておき、体が冷えないうちにすべりこみます。足の内側や足の裏を湯たんぽにくっつけるとじんわり体が温まり始め、それとともに体から力が抜けていきます。湯たんぽを使い始めてから、エアコンの暖房をかける時間が少なくなったため、咽喉が乾燥しにくくなったような気がします。
それに、寝る前にちょっとものを思うとき、温かい布団にくるまれているのとそうではないのとでは、全然違います。例えば、“今日、仕事でミスっちゃったなぁ”とか、“あれはちょっと言い過ぎたかなぁ”と考えた時、寒いとなんだか悲観的に感じることはありませんか? 体が温まっていれば、“明日、がんばろう”とか“ごめんね、って言ってみようかな”というように、前向きに考えて、ぐっすり眠れそう…というのは、私だけ?
こんな風に考えるのは、こどもの頃、祖母に風邪をひかないこつは“頭寒足熱”、とおまじないのように言われたせいでしょうか。東洋医学では、頭や上半身の血行や気が滞っている時、足や下半身に鍼灸を施して体調を整えるといわれています。体調が整えば、“明日も元気にやっていこう”という気持ちが自然と芽生えやすくなるのかもしれませんね。
最近では、湯たんぽカバーにもいろいろ種類が増え、ぬいぐるみ型のもの、毛皮調、とっくりセーター風、フリース製、それにツチノコ型?まであるようですね。外国製ではカバーなしのもので、透明な厚手のビニール製で、ハート型をしており、中にカラフルな飾りが入っているものも見つけました。確かにカラフルだったり、面白い形だったら、一緒に布団に入るのが楽しくていいですよね。
祖母は、金属製の湯たんぽをひざかけか何かでくるんで使っていたような記憶があります。くすり博物館には昔の陶製のものが収蔵されており、現在企画展で展示中です。学芸員としては、一度使い心地を試してみたいのですが…持ち出したり壊してはいけませんので、残念ながら今のところ実現しておりません。こんな湯たんぽで温まった時に見る夢は、どんなものなのでしょうか。
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